幅はぎパネルを四周釘打ちした床の曲げたわみ
アカマツ幅はぎパネルを四周支持した床(スパンは91cm×91cm)のたわみを,アカマツ3層パネル,厚物の構造用合板の場合と比較した。まず,両端が単純支持された直交梁へと床パネルを線材置換し,たわみのモデル式を誘導した結果,たわみは床パネルの強軸および弱軸方向のMOEの和に反比例することが分かった。供試パネルの両方向のMOEを測定した結果,はぎパネルのMOEの強軸・弱軸方向の和は,3層パネルおよび合板に対して約1割小さかった。建築基準法施行令に規定される床の積載荷重を中央集中で負荷した場合,モデル式から試算される幅はぎパネルのたわみは,3層パネルや合板よりも0.4mm程度大きくなった。続いて,実...
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Veröffentlicht in: | 岩手大学農学部演習林報告 = Bulletin of the Iwate University Forests 2018-06 (49), p.1-13 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | アカマツ幅はぎパネルを四周支持した床(スパンは91cm×91cm)のたわみを,アカマツ3層パネル,厚物の構造用合板の場合と比較した。まず,両端が単純支持された直交梁へと床パネルを線材置換し,たわみのモデル式を誘導した結果,たわみは床パネルの強軸および弱軸方向のMOEの和に反比例することが分かった。供試パネルの両方向のMOEを測定した結果,はぎパネルのMOEの強軸・弱軸方向の和は,3層パネルおよび合板に対して約1割小さかった。建築基準法施行令に規定される床の積載荷重を中央集中で負荷した場合,モデル式から試算される幅はぎパネルのたわみは,3層パネルや合板よりも0.4mm程度大きくなった。続いて,実大サイズの床構面を作製し,軸組への釘打ち本数を段階的に増やしながら床たわみを計測することで,四周単純支持から半固定支持への移行に伴うたわみ低減の様子を調べた。釘打ちピッチ@150の四周半固定支持での荷重-たわみ関係の近似式より建築基準法施行令に定められた積載荷重(184kgf/m2)に対応する床たわみを求めると,幅はぎパネルでは1.76mm,3層パネルでは1.72mm,合板では1.58mmとなり,3者の差は0.2mm以内となった。さらに,中央集中荷重と等分布荷重ではたわみの比が1:0.63となるため,積載荷重が等分布で作用した場合の3者のたわみ差は0.1mm程度となる。以上の結果より,床軸組への釘着完了状態では,幅はぎパネルの床たわみは合板と比べて0.1~0.2mm程度大きいことが判明したが,この程度のたわみ差は居住性に影響のないレベルと考えられ,幅はぎパネルの床たわみに対する懸念は不要と言える。 |
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ISSN: | 0286-4339 |