主要産地のウンシュウミカンに含有されるβ-クリプトキサンチン量の品種群間差およびその糖度との関連について

近年,消費者庁で新たな食品表示法が施行され,生鮮農産物も機能性表示食品の対象になった.ウンシュウミカンは日本国内で最も良く食される国産果実の一つであり,β-クリプトキサンチンを多く含む.そのため,機能性表示食品としての期待が高い.本研究において,国内主要産地のウンシュウミカンに含まれるβ-クリプトキサンチン含有量を各品種群で調査し,果実品質 (糖度) との関連について検証を行った.その結果,ウンシュウミカン果実中のβ-クリプトキサンチン含有量は極早生品種群で最も低かった (1.51 ± 0.37 mg・100 gFW–1).一方, 早生 (1.97 ± 0.35 mg・100 gFW–1)や中...

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Veröffentlicht in:Engeigaku kenkyuu 2018, Vol.17(4), pp.459-464
Hauptverfasser: 久永, 絢美, 吉岡, 照高, 杉浦, 実
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年,消費者庁で新たな食品表示法が施行され,生鮮農産物も機能性表示食品の対象になった.ウンシュウミカンは日本国内で最も良く食される国産果実の一つであり,β-クリプトキサンチンを多く含む.そのため,機能性表示食品としての期待が高い.本研究において,国内主要産地のウンシュウミカンに含まれるβ-クリプトキサンチン含有量を各品種群で調査し,果実品質 (糖度) との関連について検証を行った.その結果,ウンシュウミカン果実中のβ-クリプトキサンチン含有量は極早生品種群で最も低かった (1.51 ± 0.37 mg・100 gFW–1).一方, 早生 (1.97 ± 0.35 mg・100 gFW–1)や中・晩生(1.98 ± 0.34 mg・100 gFW–1)品種群では極早生品種群に比べて有意に高く,これらの品種群では同程度のβ-クリプトキサンチンが含有されていた.また果実中のβ-クリプトキサンチン含有量はいずれの産地・品種群のミカンであっても糖度と有意に正相関することが明らかとなった.今後,各産地での機能性表示食品としての表示が期待される.
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.17.459