イソロイシルtRNA合成酵素異常症牛における成長不良及び低産肉性

黒毛和種牛のイソロイシルtRNA合成酵素(IARS)異常症11頭(雌7頭,雄/去勢4頭)について8~37カ月間飼育し,発育と血清成分の推移及び生産性を調査した.10カ月齢までにすべての症例で下痢と肺炎がみられ,食欲は不定であった.12カ月齢以降は1日増体量(DG)が雌牛で0.8~1.2kg,雄/去勢牛で1.0~1.2kgとなるように設定した飼料をほぼ完食したが,体重は標準体重の25~80%で推移した.通算DGの平均は雌牛で0.47kg,雄/去勢牛で0.46kgであった.血清アルブミン,総コレステロール及びインスリン様成長因子-1濃度は10カ月齢まで著しい低値がみられたが,15カ月齢以降では正常...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2018/07/20, Vol.71(7), pp.347-353
Hauptverfasser: 鹿野, 達也, 長島, 美晴, 前田, 洋佑, 髙橋, 史昭, 朴, 天鎬, 杉本, 喜憲, 平野, 貴, 渡辺, 大作
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:黒毛和種牛のイソロイシルtRNA合成酵素(IARS)異常症11頭(雌7頭,雄/去勢4頭)について8~37カ月間飼育し,発育と血清成分の推移及び生産性を調査した.10カ月齢までにすべての症例で下痢と肺炎がみられ,食欲は不定であった.12カ月齢以降は1日増体量(DG)が雌牛で0.8~1.2kg,雄/去勢牛で1.0~1.2kgとなるように設定した飼料をほぼ完食したが,体重は標準体重の25~80%で推移した.通算DGの平均は雌牛で0.47kg,雄/去勢牛で0.46kgであった.血清アルブミン,総コレステロール及びインスリン様成長因子-1濃度は10カ月齢まで著しい低値がみられたが,15カ月齢以降では正常対照牛の平均値に近づいた.枝肉成績を調査した2頭の格付けは,B2とB3であった.IARS異常症は,飼料効率が悪く,経済的損失の大きい疾患であることが確認された.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.71.347