スワブによる小型犬の唾液採取技術の検証

近年、スワブを用いて採取した唾液でイヌのストレスを評価する技術が開発されたことから、今後は動物病院などで本技術を利用した診断も行われると思われる。しかし、わが国で飼育率が高い小型犬の唾液採取技術はいまだ確立していない。そこで本研究は、小型犬に対して過大なストレスを与えずに分析に必要な唾液量を採取できるのかについて検証した。小型犬5頭と中型犬2頭(対照犬)を供試犬とし、各個体から計3回の唾液採取を行った。供試犬のストレス指標として、唾液中コルチゾール濃度、採取中のイヌの行動反応および採取者と保定者によるイヌの状態についての主観的評価を用いた。その結果、全供試犬からコルチゾール濃度の測定に必要な唾...

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Veröffentlicht in:Animal Behaviour and Management 2018/06/25, Vol.54(2), pp.59-67
Hauptverfasser: 村尾, 信義, 谷田, 創
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年、スワブを用いて採取した唾液でイヌのストレスを評価する技術が開発されたことから、今後は動物病院などで本技術を利用した診断も行われると思われる。しかし、わが国で飼育率が高い小型犬の唾液採取技術はいまだ確立していない。そこで本研究は、小型犬に対して過大なストレスを与えずに分析に必要な唾液量を採取できるのかについて検証した。小型犬5頭と中型犬2頭(対照犬)を供試犬とし、各個体から計3回の唾液採取を行った。供試犬のストレス指標として、唾液中コルチゾール濃度、採取中のイヌの行動反応および採取者と保定者によるイヌの状態についての主観的評価を用いた。その結果、全供試犬からコルチゾール濃度の測定に必要な唾液量(中央値0.35 ml)を採取できた。唾液中コルチゾール濃度は平均 0.14μg/dl、採取中の鼻舐め行動と前肢挙げ行動の頻度はそれぞれ平均7.0回と平均2.8回で過剰なストレスを示唆する値ではなかった。さらに採取者と保定者の主観的評価からも過度な苦痛を伴うストレス的兆候は認められなかった。
ISSN:1880-2133
2424-1776
DOI:10.20652/abm.54.2_59