竹林の荒廃・拡大に対する周辺住民の認識・評価: 茨城県つくば市茎崎地区を事例に

全国各地で竹林拡大が問題となっている。本研究は,継続的な竹林整備のために必要なこと,今後の竹林の利用や活用のあり方を検討することを目的とし,森林湖沼環境税を用いた竹林整備事業の多い茨城県つくば市茎崎地区大舟戸を事例に行った。方法としては,聞き取り調査およびアンケート調査を用いており,竹林に対するイメージ,現況の竹林の認識度,その生活への影響,行政の竹林整備事業に対する認知度,今後の竹林の利用のありようなどを分析した。その結果,竹林に対してタケノコ生産の場という認識を持つ人が多く,現在の竹林の状況は「荒廃している」と捉えられていた。しかし,竹林が「拡大している」という意識はなく,竹林整備事業の認...

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Veröffentlicht in:Japanese Journal Of Forest Planning 2018/04/27, Vol.51(2), pp.37-46
Hauptverfasser: 相原, 隆貴, 立花, 敏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:全国各地で竹林拡大が問題となっている。本研究は,継続的な竹林整備のために必要なこと,今後の竹林の利用や活用のあり方を検討することを目的とし,森林湖沼環境税を用いた竹林整備事業の多い茨城県つくば市茎崎地区大舟戸を事例に行った。方法としては,聞き取り調査およびアンケート調査を用いており,竹林に対するイメージ,現況の竹林の認識度,その生活への影響,行政の竹林整備事業に対する認知度,今後の竹林の利用のありようなどを分析した。その結果,竹林に対してタケノコ生産の場という認識を持つ人が多く,現在の竹林の状況は「荒廃している」と捉えられていた。しかし,竹林が「拡大している」という意識はなく,竹林整備事業の認知度も低かった。その一方,竹林の荒廃・拡大の生活への影響として,「農地に侵入」など多様な意見が挙がり,今後も景観として残すために整備を望む声が多いことが明らかになった。そのため,行政の事業をより広く知らせることで竹林整備が進展すると考えられる。また,竹林を「タケノコ生産の場」として管理することが重要であると考えられる。
ISSN:0917-2017
2189-8308
DOI:10.20659/jjfp.51.2_37