船上の産卵実験によるサクラエビの産卵率の推定と産卵個体の卵巣の組織学的特徴

サクラエビの生物学的知見に基づく資源評価には,ある1日の雌個体に占める産卵個体の割合である産卵頻度が必要である。そこで,成熟雌の実験下での産卵率を推定するとともに,産卵後の卵巣の組織学的特徴を記載した。成熟雌を,採集直後から未明までの夜間に調査船甲板上で容器内に収容し,産卵した個体の割合(産卵率)を求めた。また,産卵した個体の卵巣を組織学的に観察し,産卵後の卵巣の特徴を明らかにした。実験日ごとの産卵率は40%未満~80%超までの間で変動した。産卵率には体サイズと水温による負の影響が認められた。産卵個体の卵巣には,卵巣腔が大きく開口し成熟卵が完全に抜け落ちたものと,残存したものの2つの様式がみら...

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Veröffentlicht in:Suisan Zoshoku 2018, Vol.66 (1), p.11-16
Hauptverfasser: 土井, 航, 中廣, 篤人, 鷲山, 裕史, 鈴木, 伸洋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:サクラエビの生物学的知見に基づく資源評価には,ある1日の雌個体に占める産卵個体の割合である産卵頻度が必要である。そこで,成熟雌の実験下での産卵率を推定するとともに,産卵後の卵巣の組織学的特徴を記載した。成熟雌を,採集直後から未明までの夜間に調査船甲板上で容器内に収容し,産卵した個体の割合(産卵率)を求めた。また,産卵した個体の卵巣を組織学的に観察し,産卵後の卵巣の特徴を明らかにした。実験日ごとの産卵率は40%未満~80%超までの間で変動した。産卵率には体サイズと水温による負の影響が認められた。産卵個体の卵巣には,卵巣腔が大きく開口し成熟卵が完全に抜け落ちたものと,残存したものの2つの様式がみられた。本研究によって記載されたこれらの卵巣の組織学的特徴に基づいて,産卵直後のサクラエビを判別することが可能になった。
ISSN:0371-4217
DOI:10.11233/aquaculturesci.66.11