貯蔵落花生におけるアリルイソチオシアネート蒸気暴露による種実常在菌類の増殖制御とアフラトキシン蓄積への影響

近年,落花生のAspergillus parasiticusなどによるアフラトキシン-B1,B2,G1,G2汚染の増加が報告されている.我々は,カラシ種子等に含まれる抗菌成分であるアリルイソチオシアネート(AIT)を適用することにより,落花生の種実に常在する菌類とアフラトキシン(AF)産生菌の増殖が抑制されるかを試みた.温度・湿度を調節した密封容器内に,A. parasiticusを接種した中国産および国産落花生を収納し,AITを主成分とするカラシ抽出製剤(ワサオーロ)を適用して,AIT蒸気暴露による影響を調べた.落花生の入った容器内のAIT濃度は,3時間目に最高値の44.8ng/mLに達し,...

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Veröffentlicht in:Shokuhin eiseigaku zasshi 2018/02/25, Vol.59(1), pp.45-50
Hauptverfasser: 岡野, 清志, 西岡, 聖子, 飯田, 哲哉, 大圖, 祐二, 金子, 美佐緒, 渡邉, 由子, 水上, 勇一, 一戸, 正勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年,落花生のAspergillus parasiticusなどによるアフラトキシン-B1,B2,G1,G2汚染の増加が報告されている.我々は,カラシ種子等に含まれる抗菌成分であるアリルイソチオシアネート(AIT)を適用することにより,落花生の種実に常在する菌類とアフラトキシン(AF)産生菌の増殖が抑制されるかを試みた.温度・湿度を調節した密封容器内に,A. parasiticusを接種した中国産および国産落花生を収納し,AITを主成分とするカラシ抽出製剤(ワサオーロ)を適用して,AIT蒸気暴露による影響を調べた.落花生の入った容器内のAIT濃度は,3時間目に最高値の44.8ng/mLに達し,その後に減少して9週目には5.6ng/mLとなった.AITを適用した落花生の種実常在菌および接種菌に関しては,試験期間中に種実常在菌の菌数は減少したが,接種菌は初期の菌数のまま生残した.また,AF濃度について併せて測定したところ,接種したAF産生菌数とAF蓄積量との相関が認められ,AITによって常在菌類および接種菌とAF蓄積が抑制されることが示唆された.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.59.45