蓄養水の塩分がヤマトシジミCorbicula japonicaの呈味性に及ぼす影響

本研究はヤマトシジミの呈味性向上を図ることを目的に,塩分別の蓄養試験を行った。網走湖で採取したヤマトシジミを塩分10psu及び5psuの人工海水で24時間蓄養したところ,軟体部の水分減少と遊離アミノ酸の増加が観察された。増加した主な遊離アミノ酸はグルタミン酸,アラニン,β-アラニン,プロリンであり,これらがヤマトシジミの浸透圧調整の初期に関与しているオスモライトであると考えられた。また,ヤマトシジミの煮汁においても10psuの蓄養により軟体部同様4種類の遊離アミノ酸が増加した。アラニン及びプロリンは甘味を呈し,グルタミン酸はうま味に関与することから10psu人工海水の蓄養によりヤマトシジミの呈...

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Veröffentlicht in:北海道水産試験場研究報告 = Scientific reports of Hokkaido Fisheries Research Institutes 2017-09 (92), p.21-27
Hauptverfasser: 佐藤, 暁之, 清水, 茂雅, 成田, 正直, 辻, 浩司, 宮崎, 亜希子, 蛯谷, 幸司, 渡辺, 智治, 畑山, 誠, 麻生, 真悟
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究はヤマトシジミの呈味性向上を図ることを目的に,塩分別の蓄養試験を行った。網走湖で採取したヤマトシジミを塩分10psu及び5psuの人工海水で24時間蓄養したところ,軟体部の水分減少と遊離アミノ酸の増加が観察された。増加した主な遊離アミノ酸はグルタミン酸,アラニン,β-アラニン,プロリンであり,これらがヤマトシジミの浸透圧調整の初期に関与しているオスモライトであると考えられた。また,ヤマトシジミの煮汁においても10psuの蓄養により軟体部同様4種類の遊離アミノ酸が増加した。アラニン及びプロリンは甘味を呈し,グルタミン酸はうま味に関与することから10psu人工海水の蓄養によりヤマトシジミの呈味性向上が期待された。
ISSN:2185-3290