キャベツセル苗の根鉢形成前定植を可能にして定植後生育を促進する培養土ブロック化処理

キャベツのセル苗は,根への障害を避けるため,根域を崩さずにセルからの抜き取りができる根鉢形成後に定植されている。しかし,根鉢形成苗は定植後の生育が遅いとされているので,根鉢形成前に,セル内培養土の形状を保ったまま,苗を抜き取ることができる培養土ブロック化方法を開発しようとした。処理区には,乾燥した場合100gに相当する量の通常培養土に長さ約1cmのヤシ殻繊維6gおよびベントナイト10gを混合した改良培養土をセルトレイ(128セル)に詰め,各セルに‘金系201号’種子を温室内で播種し,子葉展開期に0.6%ポリビニルアルコール水溶液を灌液する区を充て,3資材を用いずに通常培養土のみで育苗した区を慣...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Tokyo Nōgyō Daigaku nōgaku shūhō 2017-09, Vol.62 (2), p.62-67
Hauptverfasser: 高畑, 健, 水島, 智史, 三浦, 周行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:キャベツのセル苗は,根への障害を避けるため,根域を崩さずにセルからの抜き取りができる根鉢形成後に定植されている。しかし,根鉢形成苗は定植後の生育が遅いとされているので,根鉢形成前に,セル内培養土の形状を保ったまま,苗を抜き取ることができる培養土ブロック化方法を開発しようとした。処理区には,乾燥した場合100gに相当する量の通常培養土に長さ約1cmのヤシ殻繊維6gおよびベントナイト10gを混合した改良培養土をセルトレイ(128セル)に詰め,各セルに‘金系201号’種子を温室内で播種し,子葉展開期に0.6%ポリビニルアルコール水溶液を灌液する区を充て,3資材を用いずに通常培養土のみで育苗した区を慣行区とした。処理は出芽およびその後の芽生えの生育を抑制しなかった。慣行区では本葉3.0葉期が根鉢形成期であり,定植機による抜き取り苗の培養土部分は完全にセルの形を保っていた。同様なことが処理区では若い2.0および2.5葉期で観察された。慣行区3.0葉期苗に比べ,処理区2.0および2.5葉期苗はポット定植後の相対生長率が高く,定植後1週間の灌水制限および湛水をした場合も,その間の相対生長率が高かった。本実験の培養土ブロック化処理は,慣行よりも若い苗の定植を可能にし,育苗日数短縮に加え,定植後の生育を通常および水環境ストレス下で促進するのに有効であった。
ISSN:0375-9202