豪雪中山間地におけるブナ堅果の生産量と成分特性からみた特産物としての有用性
ブナ林が卓越する豪雪中山間地にある長野県飯山市においてブナ堅果の特産物としての有用性を検討した。市内で行った11~17年間の堅果生産量モニタリングの結果,豊作ないし並作の頻度は極相林分で隔年,里山林分で2~4年ごと,孤立林分で17年間中1回であった。胚の一般成分は100g当たり水分6.3%,蛋白質22.7%,脂質49.9%,炭水化物17.3%,灰分3.8%であり,抽出油の酸化安定性は市販のクルミよりも高かった。市内最大の里山ブナ林(約5.5ha)における豊作時のブナ堅果の賦存量を2015年の生産量をもとに試算すると約8t(約800万円相当)となった。ブナ堅果の資源管理のあり方としては,極相林で...
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Veröffentlicht in: | Nihon Shinrin Gakkaishi 2017/02/01, Vol.99(1), pp.10-17 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ブナ林が卓越する豪雪中山間地にある長野県飯山市においてブナ堅果の特産物としての有用性を検討した。市内で行った11~17年間の堅果生産量モニタリングの結果,豊作ないし並作の頻度は極相林分で隔年,里山林分で2~4年ごと,孤立林分で17年間中1回であった。胚の一般成分は100g当たり水分6.3%,蛋白質22.7%,脂質49.9%,炭水化物17.3%,灰分3.8%であり,抽出油の酸化安定性は市販のクルミよりも高かった。市内最大の里山ブナ林(約5.5ha)における豊作時のブナ堅果の賦存量を2015年の生産量をもとに試算すると約8t(約800万円相当)となった。ブナ堅果の資源管理のあり方としては,極相林では豊作ないし並作時に広場等に落下した定着可能性の低い堅果を採取し,里山林では積極的に堅果採取を行うことで林分の再利用を促進し,孤立林では採取せずブナ個体群を保全することが望ましいと考えられた。以上からブナ堅果の有用性はある程度認められたが,特産物として利用を持続させるには適切な資源管理の下で高付加価値化に向けた工夫を行うことが重要である。 |
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ISSN: | 1349-8509 1882-398X |
DOI: | 10.4005/jjfs.99.10 |