‘せとか’ および ‘不知火’ における品種および台木の違いが花芽分化に及ぼす影響

カラタチ台あるいは‘ヒリュウ’ 台の‘せとか’および‘不知火’を用いて,品種や台木が生殖成長に及ぼす影響を3~4年間調査した.カンキツの花芽分化時期である11月に花芽分化促進遺伝子CiFTの発現を定量した結果,11月のCiFT発現量は翌春の花数と密接に関連していた.両品種とも, ‘ヒリュウ’ 台のCiFT発現量と花数において,年次間の差が大きかった.一方,摘果により着果数が調整されたため,収量はいずれの品種・台木の組み合わせでも毎年平均3 kg・m–3前後だった.CiFT発現量,花数および収量について年次変動指数を算出し分散分析を行ったところ,‘ヒリュウ’台におけるCiFT発現量の年次変動指数...

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Veröffentlicht in:Engeigaku kenkyuu 2017, Vol.16(4), pp.465-470
Hauptverfasser: 西川, 芙美恵, 古川, 忠, 荒牧, 貞幸, 田中, 加奈子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:カラタチ台あるいは‘ヒリュウ’ 台の‘せとか’および‘不知火’を用いて,品種や台木が生殖成長に及ぼす影響を3~4年間調査した.カンキツの花芽分化時期である11月に花芽分化促進遺伝子CiFTの発現を定量した結果,11月のCiFT発現量は翌春の花数と密接に関連していた.両品種とも, ‘ヒリュウ’ 台のCiFT発現量と花数において,年次間の差が大きかった.一方,摘果により着果数が調整されたため,収量はいずれの品種・台木の組み合わせでも毎年平均3 kg・m–3前後だった.CiFT発現量,花数および収量について年次変動指数を算出し分散分析を行ったところ,‘ヒリュウ’台におけるCiFT発現量の年次変動指数がカラタチ台と比べて有意に高かった.以上の結果から,‘せとか’ や‘不知火’ では,収量には影響しないものの‘ヒリュウ’ 台の利用により花芽分化が不安定になることが示唆された.
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.16.465