加圧注入用薬剤で保存処理されたスギ正角材の金属腐食性

5種類の加圧注入用薬剤で保存処理されたスギ心持ち正角材に、3種類のくぎを打ち込み、高温、水濡れおよび屋内条件下で一定期間放置して、金属腐食性を評価した。その結果、打ち込まれた鉄くぎの腐食量は、環境および保存処理薬剤によって異なることが明らかになった。すなわち、屋内条件下(通常の気温で木材の含水率が11~15%)では、1.8年の間で、いずれの鉄くぎにも腐食による質量減少は見られなかったが、水濡れ条件下(通常の気温で木材の含水率が30%以上)で24週間~1.5年間放置した時は、ACQ-1、CUAZおよびAZN処理木材で無処理木材よりも鉄くぎが腐食した。一方、高温条件下(60℃で木材の含水率が12~...

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Veröffentlicht in:奈良県森林技術センター研究報告 2016-04 (45), p.35-43
Hauptverfasser: 愛須, 未紀, 染川, さおり, 酒井, 温子, 増田, 勝則
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:5種類の加圧注入用薬剤で保存処理されたスギ心持ち正角材に、3種類のくぎを打ち込み、高温、水濡れおよび屋内条件下で一定期間放置して、金属腐食性を評価した。その結果、打ち込まれた鉄くぎの腐食量は、環境および保存処理薬剤によって異なることが明らかになった。すなわち、屋内条件下(通常の気温で木材の含水率が11~15%)では、1.8年の間で、いずれの鉄くぎにも腐食による質量減少は見られなかったが、水濡れ条件下(通常の気温で木材の含水率が30%以上)で24週間~1.5年間放置した時は、ACQ-1、CUAZおよびAZN処理木材で無処理木材よりも鉄くぎが腐食した。一方、高温条件下(60℃で木材の含水率が12~16%)で3~18週間放置した時は、AAC-1、BAAC、ACQ-1およびCUAZ処理木材で無処理木材よりも鉄くぎが腐食した。しかし、いずれの環境下においても、鉄に溶融亜鉛めっきを施すことで腐食が抑制される傾向が見られた。また、ステンレス鋼は環境を問わず、いずれの保存処理木材においてもほとんど腐食しなかった。
ISSN:1345-9864