東中国及び北近畿個体群のツキノワグマに認められた骨異常の出現頻度

・兵庫県で捕獲されたツキノワグマ成獣47頭の脊椎及び骨盤、四肢長骨について、過形成、粗鬆様、癒合などの骨の異常の有無と出現頻度を検索した。・39頭のツキノワグマに骨の異常を認めた。部位別では、胸椎と腰椎、脛骨関節部に、過形成、粗鬆様が多く検出された。・人為的な要因で死亡した個体から、骨異常が少なくとも1か所以上認められた割合は、東中国個体群で82%となり、北近畿個体群(70%)に比べ高かった。・今回検索した骨の異常部では、脊椎と関節部の軟骨組織周辺における炎症-摩耗-増生が繰り返され、溶解した軟骨を補う形で運動負荷の高い脊椎や関節部の変形が起こったと推定される。・症状が進行している個体は、高齢...

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Veröffentlicht in:兵庫ワイルドライフモノグラフ 2011-03 (3), p.125-138
Hauptverfasser: 横山, 真弓, 斎田, 栄里奈, 中村, 幸子, 森光, 由樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:・兵庫県で捕獲されたツキノワグマ成獣47頭の脊椎及び骨盤、四肢長骨について、過形成、粗鬆様、癒合などの骨の異常の有無と出現頻度を検索した。・39頭のツキノワグマに骨の異常を認めた。部位別では、胸椎と腰椎、脛骨関節部に、過形成、粗鬆様が多く検出された。・人為的な要因で死亡した個体から、骨異常が少なくとも1か所以上認められた割合は、東中国個体群で82%となり、北近畿個体群(70%)に比べ高かった。・今回検索した骨の異常部では、脊椎と関節部の軟骨組織周辺における炎症-摩耗-増生が繰り返され、溶解した軟骨を補う形で運動負荷の高い脊椎や関節部の変形が起こったと推定される。・症状が進行している個体は、高齢個体が多かった。・繁殖への悪影響はないと考えられたが、東中国個体群で頻度が高いことから、今後は発生要因を把握する必要がある。
ISSN:1883-8219