キュウリ黄化えそ病抵抗性を有する‘きゅうり中間母本農7号’の育成経過とその特性
1)‘きゅうり中間母本農7号’は,黄化えそ病抵抗性を有するキュウリ系統27028930と固定品種‘ときわ’を交雑したF5世代にF1品種‘アンコール10’を交雑し,抵抗性検定による選抜と自殖を繰り返すことにより,黄化えそ病抵抗性および主要形質を固定させた中間母本である。2)‘きゅうり中間母本農7号’は,罹病性品種に比べて病徴は弱いが,MYSVに全身感染するため黄化えそ病に対して中程度の抵抗性を有する。さらに,キュウリ系統27028930より強い抵抗性を示す。3)‘きゅうり中間母本農7号’と罹病性‘きゅうり中間母本農4号’を交雑したF1の発病評点は,両親のほぼ中間の値を示す。また,そのF2集団にお...
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Veröffentlicht in: | 野菜茶業研究所研究報告 2016-03 (15), p.1-10 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1)‘きゅうり中間母本農7号’は,黄化えそ病抵抗性を有するキュウリ系統27028930と固定品種‘ときわ’を交雑したF5世代にF1品種‘アンコール10’を交雑し,抵抗性検定による選抜と自殖を繰り返すことにより,黄化えそ病抵抗性および主要形質を固定させた中間母本である。2)‘きゅうり中間母本農7号’は,罹病性品種に比べて病徴は弱いが,MYSVに全身感染するため黄化えそ病に対して中程度の抵抗性を有する。さらに,キュウリ系統27028930より強い抵抗性を示す。3)‘きゅうり中間母本農7号’と罹病性‘きゅうり中間母本農4号’を交雑したF1の発病評点は,両親のほぼ中間の値を示す。また,そのF2集団における発病評点は幅広い分布を示すことから,黄化えそ病抵抗性には複数の遺伝子が関与し,抵抗性は不完全優性に遺伝すると推定される。第3連鎖群の3マーカーは,キュウリのMYSV抵抗性育種における選抜マーカーとして利用できる。4)幼苗期にMYSVに感染すると,罹病性品種は5~7割程度の減収になるのに対して,‘きゅうり中間母本農7号’は1~2割程度の減収に抑えられる。また,‘きゅうり中間母本農7号’の果実には,MYSVの感染に起因するモザイクなどの症状は見られない。5)主枝の長さは短く,側枝の発生率は高い。性表現は混性型で,単為結果性を有する。果皮は濃緑色で,果実基部に首があり肩こけが認められる。6)黄化えそ病抵抗性は不完全優性に遺伝するため,‘きゅうり中間母本農7号’と同程度の抵抗性を持つF1品種を育成するためには,両親への抵抗性付与が必要である。 |
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ISSN: | 1346-6984 |
DOI: | 10.24514/00001862 |