ネギ類の混植によるホウレンソウ萎凋病の抑制

夏ホウレンソウに被害をもたらす萎凋病の発生をネギおよびニラの混植で抑制できるか検討した.まず,プラントボックス試験でホウレンソウ萎凋病に対するネギ混植およびニラ混植の発病抑制効果を評価した結果,両方に高い効果が認められた.つぎに,萎凋病菌接種培土と無接種培土をコンテナに詰め,両培土の境界にネギおよびニラを10 cmおよび15 cm間隔で植え,無接種培土側にホウレンソウを播種して萎凋病の発生を比較した.その結果,ニラ混植区では株間10 cmでのみ発病が有意に抑制されたが,ネギ混植区では株間によらず発病が有意に抑制され,またその発病抑制効果はニラ混植区よりも高かった.現地圃場での混植の発病抑制効果...

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Veröffentlicht in:Nippon shokubutsu byōri gakkai 2017, Vol.83(2), pp.87-94
Hauptverfasser: 五十嵐, 千佳, 浅野, 雄二, 西岡, 友樹, 須賀, 晴久, 百町, 満朗, 清水, 将文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:夏ホウレンソウに被害をもたらす萎凋病の発生をネギおよびニラの混植で抑制できるか検討した.まず,プラントボックス試験でホウレンソウ萎凋病に対するネギ混植およびニラ混植の発病抑制効果を評価した結果,両方に高い効果が認められた.つぎに,萎凋病菌接種培土と無接種培土をコンテナに詰め,両培土の境界にネギおよびニラを10 cmおよび15 cm間隔で植え,無接種培土側にホウレンソウを播種して萎凋病の発生を比較した.その結果,ニラ混植区では株間10 cmでのみ発病が有意に抑制されたが,ネギ混植区では株間によらず発病が有意に抑制され,またその発病抑制効果はニラ混植区よりも高かった.現地圃場での混植の発病抑制効果を検証するため,土壌燻蒸消毒後に雨よけハウス内の畝肩にネギおよびニラを10 cm間隔で植え付け,萎凋病の発生と土壌中のFusarium oxysporum菌密度を調査した.その結果,栽培期間を通じて両混植区で萎凋病の発生が抑制された.F. oxysporumは,ネギ混植区の土壌からは全く検出されなかったが,ニラ混植区および対照区の土壌からは検出される場合があった.以上の結果から,畝肩へのネギおよびニラの混植がホウレンソウ萎凋病の防除に利用できる可能性が示唆された.特に,ネギの混植が実用性が高いと考えられた.
ISSN:0031-9473
1882-0484
DOI:10.3186/jjphytopath.83.87