栽植様式が小ギクの開花斉一性に及ぼす影響
収穫機による一斉収穫を目指して,栽植様式が開花斉一性に及ぼす影響を,夏秋ギク型小ギク ‘翁丸’ を用いて検討した.6条7列の群落として栽培した小ギク切り花について,栽植位置および摘心後分枝の発生節位ごとの到花日数を調査した.到花日数は群落中央部の4条間では差がなく,通路に面した南北の周縁部で短くなった.群落中央部のPPFDは周縁部に比べて,草冠部に相当する上層とそこから約15 cm下位の中層との差が小さく,より下位葉まで日射が到達していた.また,株当たり3本整枝とした摘心後分枝の発生節位では,上位節および中位節と比較して下位節で到花日数が長くなり,そのばらつきも大きかった.こうした群落内での栽...
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Veröffentlicht in: | Engeigaku kenkyuu 2017, Vol.16(1), pp.41-50 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 収穫機による一斉収穫を目指して,栽植様式が開花斉一性に及ぼす影響を,夏秋ギク型小ギク ‘翁丸’ を用いて検討した.6条7列の群落として栽培した小ギク切り花について,栽植位置および摘心後分枝の発生節位ごとの到花日数を調査した.到花日数は群落中央部の4条間では差がなく,通路に面した南北の周縁部で短くなった.群落中央部のPPFDは周縁部に比べて,草冠部に相当する上層とそこから約15 cm下位の中層との差が小さく,より下位葉まで日射が到達していた.また,株当たり3本整枝とした摘心後分枝の発生節位では,上位節および中位節と比較して下位節で到花日数が長くなり,そのばらつきも大きかった.こうした群落内での栽植位置による到花日数の差を小さくするため,中央条間の変更,群落周縁部の遮光および摘心の影響を検討した.南北畝の4条植え群落における中央条間を15~90 cmまで変化させ,内側2条と外側2条の到花日数を比較すると,到花日数の内外差は中央条間が広いほど小さくなり,75 cm以上ではみられなくなった.また,10条植え群落において遮光率31%の遮光資材を通路に面した群落側面に下垂させて到花日数を調査した.遮光処理によって群落周縁部の到花日数はやや長くなったものの,群落全体の開花斉一性は高まらなかった.さらに4条植え群落において,無摘心と摘心後1本もしくは2本仕立てとした3区の到花日数を比較したところ,摘心栽培の2区で開花斉一性が向上した.これらから,小ギク切り花の開花斉一性には群落内での栽植位置と摘心後分枝位置が影響しており,中央条間の拡大と摘心後分枝数の制限によって改善できることが示された. |
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ISSN: | 1347-2658 1880-3571 |
DOI: | 10.2503/hrj.16.41 |