7年の経過観察後にバルーン弁形成術を実施した肺動脈狭窄症の犬の1例
8カ月齢のポメラニアンを中等度の肺動脈狭窄症と診断した。初診時より定期的な検診を行っていたが,約7年が経過した時点より日常生活において運動不耐性が認められるようになった。心臓超音波検査では右室流出路における重度の動的狭窄および二次性の右室漏斗部肥大が観察され,肺動脈最大血流速度の上昇と血中N末端プロB型ナトリウムペプチド(NT-proBNP)濃度の増加が認められたため肺動脈バルーン弁形成術(PBV)を実施した。術後,肺動脈最大血流速度は著しく低下し右室流出路における動的狭窄の改善およびNT-proBNP濃度の減少が認められた。本症例は初診時より約7年と長期期間を経て病態が悪化し,PBVにより良...
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Veröffentlicht in: | Dōbutsu no junkanki 2016, Vol.49(2), pp.69-75 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 8カ月齢のポメラニアンを中等度の肺動脈狭窄症と診断した。初診時より定期的な検診を行っていたが,約7年が経過した時点より日常生活において運動不耐性が認められるようになった。心臓超音波検査では右室流出路における重度の動的狭窄および二次性の右室漏斗部肥大が観察され,肺動脈最大血流速度の上昇と血中N末端プロB型ナトリウムペプチド(NT-proBNP)濃度の増加が認められたため肺動脈バルーン弁形成術(PBV)を実施した。術後,肺動脈最大血流速度は著しく低下し右室流出路における動的狭窄の改善およびNT-proBNP濃度の減少が認められた。本症例は初診時より約7年と長期期間を経て病態が悪化し,PBVにより良好な結果が得られた希な症例であった。PSの症例では右室流出路における肺動脈の動的狭窄の程度が予後に影響すると考えられた。またNT-proBNP濃度は肺動脈狭窄症における病態評価手段として有用であり,PBV実施時期を決める判断基準の一つとなりうると考えられた。 |
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ISSN: | 0910-6537 1883-5260 |
DOI: | 10.11276/jsvc.49.69 |