天敵温存植物としての障壁作物ソルゴーの評価 : ソルゴーのフェノロジーがアブラムシ類(カメムシ目: アブラムシ科)の発生に及ぼす影響
ソルゴーは害虫の飛来防止や防風のための障壁作物として露地ナス栽培などで利用され,天敵発生源としても注目されている。しかし,天敵供給源としてのソルゴーでのアブラムシ類の発生消長や持続性を調べた報告はない。そこで,本研究では捕食性天敵の餌になると考えられるアブラムシ類の発生について,異なる品種および定植日のソルゴーを用いて調査した。2007年は「高糖分ソルゴー」,「アカアマキビ」および「風立」の3品種を用いた。その結果,いずれの品種でもヒエノアブラムシが最優占種となった。また,ヒエノアブラムシの発生量指数は「風立」で有意に高かった。さらに,5月上旬までに播種したソルゴーではヒエノアブラムシの発生が...
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Veröffentlicht in: | Nihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi 2016-11, Vol.60 (4), p.163-170 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ソルゴーは害虫の飛来防止や防風のための障壁作物として露地ナス栽培などで利用され,天敵発生源としても注目されている。しかし,天敵供給源としてのソルゴーでのアブラムシ類の発生消長や持続性を調べた報告はない。そこで,本研究では捕食性天敵の餌になると考えられるアブラムシ類の発生について,異なる品種および定植日のソルゴーを用いて調査した。2007年は「高糖分ソルゴー」,「アカアマキビ」および「風立」の3品種を用いた。その結果,いずれの品種でもヒエノアブラムシが最優占種となった。また,ヒエノアブラムシの発生量指数は「風立」で有意に高かった。さらに,5月上旬までに播種したソルゴーではヒエノアブラムシの発生が早かった。2008年は「風立」および「高糖分ソルゴー」の2品種で調査したところ,2007年と同様にヒエノアブラムシが優占であり,「風立」で有意に多く発生した。以上の結果から,天敵の餌となるヒエノアブラムシの発生が多い「風立」が天敵温存植物として適していると考えられた。また5月上旬までに定植することで餌となるヒエノアブラムシが早く発生し,そのことが露地ナスなどに発生するアブラムシ類に対する捕食性天敵の働きを高めると考えられた。 |
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ISSN: | 0021-4914 |