ユネスコエコパーク登録後の宮崎県綾町の動向 ─世界が注目するモデル地域
綾町は約半世紀前から産官学民の協働によって先進的な人と自然が共生する町づくりを進め、2005 年からは照葉樹林の復元事業を通じて保全活動を強化し、2012 年には町の全域がユネスコエコパークに含まれることになった。移行地域を含めたユネスコエコパークの登録は日本では初めてである。ユネスコエコパーク登録は、綾町が移行地域を中心に核心地域や緩衝地域の保全にも主体的に関与することを明示化したものである。登録後、綾町はユネスコエコパーク推進室を創設し、綾町生物多様性地域戦略を通じて生物多様性保全や学術研究教育支援等を検討するとともに、綾町内外の多様な主体と連携をすすめていく新たな体制づくりを進めている。...
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Veröffentlicht in: | Nihon Seitai Gakkai shi 2016, Vol.66(1), pp.121-134 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 綾町は約半世紀前から産官学民の協働によって先進的な人と自然が共生する町づくりを進め、2005 年からは照葉樹林の復元事業を通じて保全活動を強化し、2012 年には町の全域がユネスコエコパークに含まれることになった。移行地域を含めたユネスコエコパークの登録は日本では初めてである。ユネスコエコパーク登録は、綾町が移行地域を中心に核心地域や緩衝地域の保全にも主体的に関与することを明示化したものである。登録後、綾町はユネスコエコパーク推進室を創設し、綾町生物多様性地域戦略を通じて生物多様性保全や学術研究教育支援等を検討するとともに、綾町内外の多様な主体と連携をすすめていく新たな体制づくりを進めている。本稿では、ユネスコエコパーク登録後の社会変化についていくつかの指標、すなわち観光客数、人口増減、ふるさと納税額の変化を使って自然に配慮した持続可能な地域づくりにむけた社会動向を明らかにした。さらにユネスコエコパークの目的である生物多様性保全、持続可能な地域づくり、学術研究支援という3 つの観点からみた今後の課題について報告した。 |
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ISSN: | 0021-5007 2424-127X |
DOI: | 10.18960/seitai.66.1_121 |