畑作用除草剤「ピロキサスルホン」の開発

「はじめに」 ピロキサスルホン(pyroxasulfone)は, 株式会社ケイ・アイ研究所で創製し, クミアイ化学工業株式会社とイハラケミカル工業株式会社が共同開発したイソキサゾリン系のイネ科雑草と小型種子広葉雑草を対象とした畑作土壌処理用除草剤であり, 1ha当たり100~250gという低薬量で優れた防除効果を示し, 遺伝子組換え作物栽培における非選択性除草剤に対する抵抗性雑草に対しても有効である. ピロキサスルホンは, Herbicide Resistance Action CommitteeにおいてグループK3に分類され, 植物の超長鎖脂肪酸の生合成を阻害し除草効果を発現する. 本稿では...

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Veröffentlicht in:Nihon Nōyaku Gakkai shi (2013) 2016/08/20, Vol.41(2), pp.182-188
Hauptverfasser: 中谷, 昌央, 山地, 充洋, 本田, 久志, 内田, 幸生
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 ピロキサスルホン(pyroxasulfone)は, 株式会社ケイ・アイ研究所で創製し, クミアイ化学工業株式会社とイハラケミカル工業株式会社が共同開発したイソキサゾリン系のイネ科雑草と小型種子広葉雑草を対象とした畑作土壌処理用除草剤であり, 1ha当たり100~250gという低薬量で優れた防除効果を示し, 遺伝子組換え作物栽培における非選択性除草剤に対する抵抗性雑草に対しても有効である. ピロキサスルホンは, Herbicide Resistance Action CommitteeにおいてグループK3に分類され, 植物の超長鎖脂肪酸の生合成を阻害し除草効果を発現する. 本稿では, ピロキサスルホンの創製経緯, 物理化学的特性, 除草効果, 作用機序及び開発普及状況について概説する. 「1. ピロキサスルホンの創製」 クミアイ化学工業株式会社では, チオカーバメート系除草剤のチオベンカーブ(thiobencarb)を開発し, 日本において移植水稲栽培でのヒエ類の防除に使用され, さらにトウモロコシやダイズ栽培でのイネ科雑草防除にも使用されている.
ISSN:2187-0365
2187-8692
DOI:10.1584/jpestics.W16-09