肺腺癌術後補助化学療法後の経過中に増悪を認めた慢性鳥飼病の1例

症例は75歳男性,4年前に肺腺癌(ⅡB期)に対し右下葉の摘出術を受け,術後カルボプラチン+ペメトレキセドを4コース施行した。その後,咳漱,労作時呼吸苦が出現増悪した。術前の胸部単純CTにて両下肺胸膜直下にスリガラス陰影を認めていたが,その後の胸部CTにて蜂巣肺,牽引性気管支拡張など両肺下葉末梢優位に陰影の増悪を認めた。特発性肺線維症を疑いプレドニゾロン(PSL),クラリスロマイシン(CAM),ピルフェニドンを投与するも改善に乏しく,今回PaO2 56mgHgと低酸素血症を認め,入院となった。問診にて30歳時より養鶏業に従事し,入院時は3,000羽の軍鶏を飼育していることがわかり,鳥関連過敏性肺...

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Veröffentlicht in:Nihon Nōson Igakkai zasshi 2016/05/31, Vol.65(1), pp.62-69
Hauptverfasser: 篠原, 陽子, 清木, 祐介, 安藤, 啓太, 大川, 宙太, 山名, 高志, 西山, 直樹, 川上, 直樹, 若井, 陽子, 山下, 高明, 齋藤, 和人, 小貫, 拓哉, 稲垣, 雅春
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は75歳男性,4年前に肺腺癌(ⅡB期)に対し右下葉の摘出術を受け,術後カルボプラチン+ペメトレキセドを4コース施行した。その後,咳漱,労作時呼吸苦が出現増悪した。術前の胸部単純CTにて両下肺胸膜直下にスリガラス陰影を認めていたが,その後の胸部CTにて蜂巣肺,牽引性気管支拡張など両肺下葉末梢優位に陰影の増悪を認めた。特発性肺線維症を疑いプレドニゾロン(PSL),クラリスロマイシン(CAM),ピルフェニドンを投与するも改善に乏しく,今回PaO2 56mgHgと低酸素血症を認め,入院となった。問診にて30歳時より養鶏業に従事し,入院時は3,000羽の軍鶏を飼育していることがわかり,鳥関連過敏性肺炎を疑い,血清PDE(Pigeon dropping extracts)検査を施行した。PDE IgG 0.697,PDE IgA 0.445と高値を示し,慢性鳥飼病と診断した.画像からは特発性肺線維症との鑑別が困難であったが,問診とPDEが診断に有用であった。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.65.62