穂肥窒素の増施が裸麦の登熟期間中の物質生産および窒素代謝に及ぼす影響
裸麦品種トヨノカゼを用い,登熟期間における器官別の乾物重ならびに窒素含有量の推移を調査した.試験は2012/2013年と2013/2014年に行い,施肥処理区は基肥−分げつ肥−穂肥の分施法で2012/2013年,2013/2014年ともに窒素成分 (g m-2) で4–2–6とした穂肥を増施した区を含む3処理区を設けた.有効茎1本あたりの器官別乾物重および窒素含有量は2012/2013年,2013/2014年ともにいずれの処理区も同様に推移した.乾物重は,地上部全体では両年次とも穂揃期後4週目にかけて増加し,子実では2012/2013年では穂揃期後2週目から成熟期にかけて,2013/2014年...
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Veröffentlicht in: | Japanese journal of crop science 2016/07/05, Vol.85(3), pp.288-293 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 裸麦品種トヨノカゼを用い,登熟期間における器官別の乾物重ならびに窒素含有量の推移を調査した.試験は2012/2013年と2013/2014年に行い,施肥処理区は基肥−分げつ肥−穂肥の分施法で2012/2013年,2013/2014年ともに窒素成分 (g m-2) で4–2–6とした穂肥を増施した区を含む3処理区を設けた.有効茎1本あたりの器官別乾物重および窒素含有量は2012/2013年,2013/2014年ともにいずれの処理区も同様に推移した.乾物重は,地上部全体では両年次とも穂揃期後4週目にかけて増加し,子実では2012/2013年では穂揃期後2週目から成熟期にかけて,2013/2014年では穂揃期後2週目から5週目にかけて増加した.窒素含有量は,地上部全体では2013/2014年では登熟期間を通じて増加しなかったのに対して,2012/2013年では穂揃期後4週目から成熟期まで増加した.子実では2013/2014年では穂揃期後5週目以降は増加しなかったのに対して,2012/2013年では穂揃期後5週目以降もさらに増加した.このことから2012/2013年では登熟後期において,栄養器官からの転流だけでなく地中からの吸収によっても子実で増加したことが推察され,登熟後半で子実生長や窒素の吸収のしかたが年次によって異なっていた. |
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ISSN: | 0011-1848 1349-0990 |
DOI: | 10.1626/jcs.85.288 |