植物共生細菌群集を利用した持続的農業

農業生産は,多量の施肥により生産力を向上させてきた。しかし,多量の施肥のため,農業生産は最も環境負荷の大きい人間活動のひとつとなっている。環境汚染は既に限界点にあり,低環境負荷農業への移行が急務である。本稿では,生産量の維持と低環境負荷を実現する方法として植物共生細菌群集の利用を提案する。生態系での物質循環を担う細菌群集を制御することで,生態系外への栄養源の流出を抑え,肥料の利用効率を高めることが持続的農業を実現する鍵であると考えている。本稿では,主に水田生態系を例に取り,農耕地における理想的な物質循環系を示した後,それを実現するための栽培管理技術の可能性について紹介する。...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:土と微生物 2016, Vol.70(1), pp.10-16
Hauptverfasser: 大久保, 卓, 池田, 成志, 南澤, 究
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:農業生産は,多量の施肥により生産力を向上させてきた。しかし,多量の施肥のため,農業生産は最も環境負荷の大きい人間活動のひとつとなっている。環境汚染は既に限界点にあり,低環境負荷農業への移行が急務である。本稿では,生産量の維持と低環境負荷を実現する方法として植物共生細菌群集の利用を提案する。生態系での物質循環を担う細菌群集を制御することで,生態系外への栄養源の流出を抑え,肥料の利用効率を高めることが持続的農業を実現する鍵であると考えている。本稿では,主に水田生態系を例に取り,農耕地における理想的な物質循環系を示した後,それを実現するための栽培管理技術の可能性について紹介する。
ISSN:0912-2184
2189-6518
DOI:10.18946/jssm.70.1_10