水稲新品種「山形糯98号」の育成
「山形糯98号」は,1999年に山形県立農業試験場庄内支場(現山形県農業総合研究センター水田農業試験場)において,「ヒメノモチ」より短稈で耐冷性が“強”の多収糯品種の育成を目標として,「山形糯77号」を母,「東北糯174号」を父として人工交配を行い,その後代から選抜・育成した品種である。本品種は,熟期は“早生”に属する糯種で,稈長,穂長は「ヒメノモチ」よりやや短く,穂数はやや多く,草型は“中間型”である。耐倒伏性は“中”である。いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pia,Pik”と推定され,圃場抵抗性は葉いもちが“中”で,穂いもちが“強”である。障害型耐冷性は“やや強”、穂発芽性は“やや易”である。...
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Veröffentlicht in: | 山形県農業研究報告 2016-03 (8), p.45-73 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「山形糯98号」は,1999年に山形県立農業試験場庄内支場(現山形県農業総合研究センター水田農業試験場)において,「ヒメノモチ」より短稈で耐冷性が“強”の多収糯品種の育成を目標として,「山形糯77号」を母,「東北糯174号」を父として人工交配を行い,その後代から選抜・育成した品種である。本品種は,熟期は“早生”に属する糯種で,稈長,穂長は「ヒメノモチ」よりやや短く,穂数はやや多く,草型は“中間型”である。耐倒伏性は“中”である。いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pia,Pik”と推定され,圃場抵抗性は葉いもちが“中”で,穂いもちが“強”である。障害型耐冷性は“やや強”、穂発芽性は“やや易”である。収量性は,粗玄米重が「ヒメノモチ」よりもやや優り,玄米千粒重は3g程度大きい。玄米の外観品質は「ヒメノモチ」よりやや劣る。成熟期のふ先色は“褐”である。山形県における栽培適応地帯は山間から中山間地域で,早生多収の飼料用糯品種として活用できる。 |
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ISSN: | 1883-4655 |