石西礁湖におけるミドリイシ属サンゴ一斉産卵の条件

琉球列島南部,石垣島と西表島の間に位置する石西礁湖における造礁サンゴ,ミドリイシ属の一斉産卵の正確な時期を把握するため,産卵,浮遊する受精卵の帯状集合(スリック)の観察日と満月からの経過日数との関係,及び観察日の積算水温,積算日射量を検討した。産卵は,5月の満月の3日前-2日後に多く観察された。ほとんどの産卵は,日没後1-4時間,また,満潮の1時間前-4.5時間後に起こった。すべての産卵は,5月に日平均水温が26℃を超えると起こり,それは水温極値の2-3ヶ月前にあたった。一斉産卵の条件は,積算水温が1.2×10 3 ℃以上,積算日射量が0.6×10 3 MJ・m-2以上と推定され,最も起こりや...

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Veröffentlicht in:Suisan kaiyō kenkyū 2015-08, Vol.79 (3), p.130-140
Hauptverfasser: 藤原, 秀一, 毛塚, 大輔, 石水, 秀延, 田端, 重夫, 野島, 哲
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:琉球列島南部,石垣島と西表島の間に位置する石西礁湖における造礁サンゴ,ミドリイシ属の一斉産卵の正確な時期を把握するため,産卵,浮遊する受精卵の帯状集合(スリック)の観察日と満月からの経過日数との関係,及び観察日の積算水温,積算日射量を検討した。産卵は,5月の満月の3日前-2日後に多く観察された。ほとんどの産卵は,日没後1-4時間,また,満潮の1時間前-4.5時間後に起こった。すべての産卵は,5月に日平均水温が26℃を超えると起こり,それは水温極値の2-3ヶ月前にあたった。一斉産卵の条件は,積算水温が1.2×10 3 ℃以上,積算日射量が0.6×10 3 MJ・m-2以上と推定され,最も起こりやすい時期は5月の満月の夜及び満月付近の夜である。
ISSN:0916-1562