樹幹形状分類を用いたスギ根元曲がり木の利用材積および品質等級別材積率の推定

根元曲がり木から生産される丸太の材積や品質等級の構成割合を推定するための実用的な方法は確立されていない。そこで, 本研究では, 根元曲がり木から生産される丸太の材積 (利用材積) および品質等級別材積率の推定法の開発を試みた。本手法では, 根元曲がり木の樹幹の形状を評価するため, 樹幹形状分類を用いた。樹幹形状分類は目視観察により樹幹の根元曲がりの形態を5段階に分類する評価法である。根元曲がり木から生産される丸太材積や品質等級別材積率に関するデータを得るため, 443本のスギを伐採し, 丸太を造材した。造材した丸太はA 材, B 材, C 材の三つの品質等級に分類した。胸高直径, 樹高, 樹幹...

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Veröffentlicht in:Nihon Shinrin Gakkaishi 2015/12/01, Vol.97(6), pp.269-275
Hauptverfasser: 図子, 光太郎, 嘉戸, 昭夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:根元曲がり木から生産される丸太の材積や品質等級の構成割合を推定するための実用的な方法は確立されていない。そこで, 本研究では, 根元曲がり木から生産される丸太の材積 (利用材積) および品質等級別材積率の推定法の開発を試みた。本手法では, 根元曲がり木の樹幹の形状を評価するため, 樹幹形状分類を用いた。樹幹形状分類は目視観察により樹幹の根元曲がりの形態を5段階に分類する評価法である。根元曲がり木から生産される丸太材積や品質等級別材積率に関するデータを得るため, 443本のスギを伐採し, 丸太を造材した。造材した丸太はA 材, B 材, C 材の三つの品質等級に分類した。胸高直径, 樹高, 樹幹形状分類を説明変数に用い, 利用材積式と品質等級別材積率式を作成した。利用材積式の適合度は高く, 一般的によく用いられている幹曲線式にもとづく利用材積式より高い推定精度を示した。一方, 品質等級別材積率式は, A 材率とB 材率についての推定精度は低かったが, C 材率については比較的高い推定精度を示した。開発した推定式を用いることによって, 根元曲がりを有するスギ林分での素材生産における収量や収益を実用的な精度で予測できることが確認された。
ISSN:1349-8509
1882-398X
DOI:10.4005/jjfs.97.269