極大果イチゴ品種「栃木i27号」の育成

イチゴ新品種栃木i27号は,大果・多収で食味が良く,耐病性を併せ持つ促成栽培用品種として,2006年に大果で果実外観に優れる「00-24-1」を母親とし,食味がよく炭疽病に強い「栃木20号」を父親として交配し,得られた実生の中から育成された。2011年に「栃木i27号」の名称で品種登録を出願した。本品種の特性は次のとおりである。草姿は立性で,ランナーの発生は良い。草勢は強く,厳寒期の草勢低下も少ない。平地における花芽分化は9月22日頃で,とちおとめと同程度に早い。頂花房の着花数は5~7花と少ない。平均一果重は25gを超え,極めて大きい。収量性は高くとちおとめに比べ20%以上の多収を示す。果形は...

Ausführliche Beschreibung

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Veröffentlicht in:栃木県農業試験場研究報告 2015-03 (73), p.85-99
Hauptverfasser: 重野, 貴, 直井, 昌彦, 植木, 正明, 家中, 達広, 岡村, 昭子, 須永, 哲央, 小林, 泰弘, 永嶋, 麻美, 稲葉, 幸雄, 畠山, 昭嗣, 癸生川, 真也, 豊田, 明奈, 中西, 達郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:イチゴ新品種栃木i27号は,大果・多収で食味が良く,耐病性を併せ持つ促成栽培用品種として,2006年に大果で果実外観に優れる「00-24-1」を母親とし,食味がよく炭疽病に強い「栃木20号」を父親として交配し,得られた実生の中から育成された。2011年に「栃木i27号」の名称で品種登録を出願した。本品種の特性は次のとおりである。草姿は立性で,ランナーの発生は良い。草勢は強く,厳寒期の草勢低下も少ない。平地における花芽分化は9月22日頃で,とちおとめと同程度に早い。頂花房の着花数は5~7花と少ない。平均一果重は25gを超え,極めて大きい。収量性は高くとちおとめに比べ20%以上の多収を示す。果形は円錐形,果皮色は濃橙赤で光沢がある。糖度及び酸度ともとちおとめよりやや低く糖酸比はとちおとめ並みに高いため甘味が強く感じられ,肉質は粘質でみずみずしく食味が良い。果実硬度は全期間を通してとちおとめよりもやや硬い。炭疽病,萎黄病,うどんこ病に対してある程度の耐病性を有している。
ISSN:0388-9270