青果物に付着する害虫に対するヨウ化メチルくん蒸処理基準の検討

青果物の表面に付着する7種の害虫を供試してヨウ化メチル2時間くん蒸の殺虫効果を調査した。15℃でのくん蒸の結果、2種アザミウマではヒラズハナアザミウマ幼虫Frankliniella intonsaの感受性が低く、100%の殺虫率を得るには薬量9.3mg/lが必要だった。ミカンコナカイガラムシPlanococcus citriでは3齢若虫と成虫の感受性が低く、薬量29.4mg/lで100%の殺虫率となった。10℃でのくん蒸の結果、2種アブラムシではマメアブラムシAphis craccivoraの感受性が低く、100%の殺虫率を得るには薬量7.7mg/lが必要だった。また、2種ハダニTetrany...

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Veröffentlicht in:植物防疫所調査研究報告 2015-03 (51), p.15-22
Hauptverfasser: 内藤, 浩光, 西崎, 博則, 林, 浩司
Format: Artikel
Sprache:eng
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:青果物の表面に付着する7種の害虫を供試してヨウ化メチル2時間くん蒸の殺虫効果を調査した。15℃でのくん蒸の結果、2種アザミウマではヒラズハナアザミウマ幼虫Frankliniella intonsaの感受性が低く、100%の殺虫率を得るには薬量9.3mg/lが必要だった。ミカンコナカイガラムシPlanococcus citriでは3齢若虫と成虫の感受性が低く、薬量29.4mg/lで100%の殺虫率となった。10℃でのくん蒸の結果、2種アブラムシではマメアブラムシAphis craccivoraの感受性が低く、100%の殺虫率を得るには薬量7.7mg/lが必要だった。また、2種ハダニTetranychus kanzawai,Tetranychus urticaeは同程度の感受性を示し、薬量13.9mg/lで100%の殺虫率となった。今回の調査結果と、過去に行われた青果物の障害調査及び殺虫試験の結果から、害虫種及び青果物ごとに100%の殺虫効果を得るのに必要なCT値を推定し、これを基に検疫処理基準案を作成した。この結果、アブラムシ、ハダニ及びアザミウマに対してはヨウ化メチル2時間くん蒸が適用可能と考えられたが、コナカイガラムシについては感受性が低いことから3時間くん蒸が適当と考えられた。今後は、この処理基準案の有効性を検証する必要がある。
ISSN:0387-0707