自家和合性ハプロタイプホモ接合体のニホンナシ新品種‘なし中間母本農1号’
1. ‘なし中間母本農1号’は,農林水産省果樹試験場(現 農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所)において‘おさ二十世紀’を自殖して育成した実生から選抜した黒斑病抵抗性で自家和合性ハプロタイプS4 smのホモ接合体である。交配試験によって1990年にS4 smのホモ接合体であることを確認し,2000年には後代におけるS遺伝子の遺伝様式と自家和合性との関係が明らかとなり,自家和合性の後代を効率的に獲得できることが確認された。その結果2002年10月31日付けで‘なし中間母本農1号’として登録,公表された。また,2008年3月5日付けで種苗法に基づき第16164号として品種登録された。2. 樹勢...
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Veröffentlicht in: | Kaju Kenkyuujo kenkyuu houkoku 2015-09 (20), p.1-9 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1. ‘なし中間母本農1号’は,農林水産省果樹試験場(現 農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所)において‘おさ二十世紀’を自殖して育成した実生から選抜した黒斑病抵抗性で自家和合性ハプロタイプS4 smのホモ接合体である。交配試験によって1990年にS4 smのホモ接合体であることを確認し,2000年には後代におけるS遺伝子の遺伝様式と自家和合性との関係が明らかとなり,自家和合性の後代を効率的に獲得できることが確認された。その結果2002年10月31日付けで‘なし中間母本農1号’として登録,公表された。また,2008年3月5日付けで種苗法に基づき第16164号として品種登録された。2. 樹勢は中程度で‘おさ二十世紀’ほど強くはない。短果枝およびえき花芽の着生は‘おさ二十世紀’と同程度である。開花期は‘おさ二十世紀’より若干遅い。収穫期は‘おさ二十世紀’とほぼ同時期である。黒斑病に対して抵抗性を示す。自家結実率は‘おさ二十世紀’と同程度で自家和合性である。3. 果実は円形を呈し,大きさは200g程度で‘おさ二十世紀’よりやや小果である。無袋栽培では‘おさ二十世紀’と同程度のさびが発生する。果肉は,硬度が5.3 lbs. でやや硬いが,糖度が12.0%,酸度がpH4.7程度で,‘おさ二十世紀’とほぼ同程度の品質である。‘おさ二十世紀’同様,軽度のみつ症や心腐れが発生することがある。4. 種子親にした場合,後代で自家和合性個体を獲得できる確率が‘おさ二十世紀’等のS4 smをヘテロに有する品種のそれと比較して2倍以上,花粉親にした場合も2倍となる組合せが多く,自家和合性品種育成の交雑親として有望である。 |
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ISSN: | 1347-3549 |
DOI: | 10.24514/00002094 |