早植えと遮光フィルム被覆処理を併用したイネの高温寡照耐性の評価法の開発

暖地において,稲の登熟期の高温寡照耐性の品種間差異を,玄米の外観品質(白未熟粒の発生程度)から評価する手法を開発した.移植期を通常の時期より約1ヶ月早めることで,供試品種の出穂後20日間の平均気温(20日間平均気温)は27℃以上を確保できる.半透明のフィルムによる被覆により,無遮光条件に比べ日射量を15~20%減少させる遮光処理が行える.遮光処理により供試品種の白未熟粒発生率は無遮光区に比べ高まり,また白未熟粒発生率の品種間差異は拡大する傾向にあった.20日間平均気温と白未熟粒発生の間に正の相関関係が認められる年もあったが,登熟気温の差の小さい品種間では高温寡照耐性の品種間差異の評価が可能と考...

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Veröffentlicht in:Ikushugaku kenkyu 2015/09/01, Vol.17(3), pp.105-114
Hauptverfasser: 坂井, 真, 田村, 克徳, 森田, 敏, 片岡, 知守, 田村, 泰章
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:暖地において,稲の登熟期の高温寡照耐性の品種間差異を,玄米の外観品質(白未熟粒の発生程度)から評価する手法を開発した.移植期を通常の時期より約1ヶ月早めることで,供試品種の出穂後20日間の平均気温(20日間平均気温)は27℃以上を確保できる.半透明のフィルムによる被覆により,無遮光条件に比べ日射量を15~20%減少させる遮光処理が行える.遮光処理により供試品種の白未熟粒発生率は無遮光区に比べ高まり,また白未熟粒発生率の品種間差異は拡大する傾向にあった.20日間平均気温と白未熟粒発生の間に正の相関関係が認められる年もあったが,登熟気温の差の小さい品種間では高温寡照耐性の品種間差異の評価が可能と考えられた.今回の試験でみられた白未熟粒歩合の品種間差異は,供試品種の育成地での特性調査報告における高温耐性についての評価とほぼ一致した.本手法は,実用的な育種における高温寡照耐性の評価法として利用可能と考えられる.
ISSN:1344-7629
1348-1290
DOI:10.1270/jsbbr.17.105