ブドウ枝幹異常症の病名診断および防止対策

1992年頃から発生がみられたブドウ枝幹異常症(ピッティング・グルービング症状)について,病名およびウイルスとの関係を調査し,防止対策を検討した。1. 枝幹異常症とウイルスの関係を知るため,RT-PCR, nested-PCRによりGrapevine virus A (GVA), Graevine virus B (GVB), Rupestris stem pitting associated virus (GRSPaV), Grapevine leafroll associated virus 1 (GLRaV-1)と2(GLRaV-2)および3(GLRaV-3)の検出を試みた結果,供試した...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:山梨県果樹試験場研究報告 = Bulletin of the Yamanashi Fruit Tree Experiment Station 2011-03 (12), p.77-83
Hauptverfasser: 綿打, 享子, 舟久保, 太一, 浅利, 覚, 寺井, 康夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1992年頃から発生がみられたブドウ枝幹異常症(ピッティング・グルービング症状)について,病名およびウイルスとの関係を調査し,防止対策を検討した。1. 枝幹異常症とウイルスの関係を知るため,RT-PCR, nested-PCRによりGrapevine virus A (GVA), Graevine virus B (GVB), Rupestris stem pitting associated virus (GRSPaV), Grapevine leafroll associated virus 1 (GLRaV-1)と2(GLRaV-2)および3(GLRaV-3)の検出を試みた結果,供試した9樹全てからRSPaVが検出された。2樹からはGVAが,1樹からはGVBとGLRaV3が重複して検出された。2. 3種の指標樹(‘St. G’,‘LN33’,‘5BB’)を用いた接木検定を行った結果,発症樹の多くは指標樹‘St. G’にのみ反応し,病名はルペストリスステムピッティングであると考えられた。一部は‘St. G’と‘LN33’の両者に反応したが,‘LN33’の症状は幹でのグルービング症状のみであったことから,ルペストリスステムピッティングとLN33ステムグルービングの重複感染であった3. 台木・穂木ともに茎頂培養した苗を用いてブドウ枝幹異常症の発症が防止できるかどうか検討した結果,接木後9年経過してもピッティング・グルービング症状は認められず,GVA, GVB, RSPaVは検出されなかった。
ISSN:0389-3588