水田土壌の湛水培養無機化窒素量の特徴とその簡易迅速評価法の開発(2) : 絶乾土水振とう抽出有機態炭素量による水田風乾土可給態窒素の迅速評価
水田風乾土の可給態窒素を迅速に評価するために,全国116地点のサンプルを用いて以下の手法を試みた。1) 畑土壌の可給態窒素の簡易評価法である,80℃16時間水抽出法の有機態炭素量(TOC)やリン酸緩衝液で抽出される有機態窒素量は,可給態窒素との間に正の相関がみられたが,ともにRMSEが大きく,評価精度は低かった。また,80℃16時間水抽出法で抽出された有機態窒素+加熱アンモニア態窒素増加量と可給態窒素との相関はRMSEがさらに大きかった。2) 風乾土25℃1時間水振とう抽出TOCと可給態窒素との間には,高い正の相関関係がみられた(R2=0.80)。3) 土壌含水率が低いほど,また風乾時の乾燥温...
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Veröffentlicht in: | Nippon dojō hiryōgaku zasshi 2015-06, Vol.86 (3), p.188-197 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 水田風乾土の可給態窒素を迅速に評価するために,全国116地点のサンプルを用いて以下の手法を試みた。1) 畑土壌の可給態窒素の簡易評価法である,80℃16時間水抽出法の有機態炭素量(TOC)やリン酸緩衝液で抽出される有機態窒素量は,可給態窒素との間に正の相関がみられたが,ともにRMSEが大きく,評価精度は低かった。また,80℃16時間水抽出法で抽出された有機態窒素+加熱アンモニア態窒素増加量と可給態窒素との相関はRMSEがさらに大きかった。2) 風乾土25℃1時間水振とう抽出TOCと可給態窒素との間には,高い正の相関関係がみられた(R2=0.80)。3) 土壌含水率が低いほど,また風乾時の乾燥温度が高いほど25℃1時間水振とうにより抽出されるTOCは増加する傾向を示した。4) 風乾土の含水率や乾燥温度による影響を排除するため,絶乾土を用いて25℃1時間水振とう抽出を行い,そのTOCと可給態窒素とを比較したところ,極めて高い正の相関(R2=0.86)が得られた。5) 土壌の乾湿の差によって,抽出されるTOCに差がみられたため,東北・北陸・グライ土,黒ボク土,シラス,それ以外の土壌に分けると,より精度の高い可給態窒素の推定が可能になると考えられた。 |
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ISSN: | 0029-0610 |