長期生態学研究のすすめ : 野外で仮説検証型アプローチを進める方法(宮地賞受賞者総説)
大規模長期研究は若手研究者にとってどのような価値があるのだろうか。ここでは、この大規模長期研究が基盤としている広域・長期観測データと野外操作実験の一体化が、野外で仮説検証型アプローチを行うことを可能にすることを紹介したい。その手順は、1)生態系を広域・長期観測したデータから生態プロセスの新たな時空間パタンを検出する。2)それをもとに新たな仮説を提示する。3)野外操作実験ではこれら仮説で注目したパタンの形成要因を操作して仮説検証をする、というものである。この一体化は新たな研究テーマの探索からそのメカニズムの解明までを提供してくれるたいへん優れた研究アプローチである。そのためには様々な分野の研究者...
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Veröffentlicht in: | Nihon Seitai Gakkai shi 2015/03/30, Vol.65(1), pp.3-11 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 大規模長期研究は若手研究者にとってどのような価値があるのだろうか。ここでは、この大規模長期研究が基盤としている広域・長期観測データと野外操作実験の一体化が、野外で仮説検証型アプローチを行うことを可能にすることを紹介したい。その手順は、1)生態系を広域・長期観測したデータから生態プロセスの新たな時空間パタンを検出する。2)それをもとに新たな仮説を提示する。3)野外操作実験ではこれら仮説で注目したパタンの形成要因を操作して仮説検証をする、というものである。この一体化は新たな研究テーマの探索からそのメカニズムの解明までを提供してくれるたいへん優れた研究アプローチである。そのためには様々な分野の研究者との交流は大変重要である。このように個人経営から脱却することで、若手研究者は新たな研究テーマへの道が開けるのかもしれない。 |
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ISSN: | 0021-5007 2424-127X |
DOI: | 10.18960/seitai.65.1_3 |