用水中に含まれる溶存態放射性セシウムのヒマワリへの移行に関する研究

用水中の溶存態137Cs濃度を4段階(0.1、1.0、10Bq/L及び水道水(0.027Bq/L))に調製し、交換性カリ含量が異なる2種類の土壌でのヒマワリポット栽培に灌水として与え、用水及び土壌に由来する137Csのヒマワリ地上部への移行について解析した。(1) 溶存態137Cs濃度1Bq/L以下の水を畑地土壌に灌水しヒマワリを栽培した結果、水道水を灌水した場合と比較して、植物体地上部の137Cs濃度に変化は認められず、土壌中の137Cs濃度及び交換性137Cs濃度についても差は認められなかった。(2) 溶存態137Cs濃度10Bq/Lの水を灌水した結果、ヒマワリ地上部の137Cs濃度が上昇...

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Veröffentlicht in:福島県農業総合センター研究報告 = Bulletin of the Fukushima Agricultural Technology Centre 2015-03 (7), p.31-36
Hauptverfasser: 鈴木, 安和, 保高, 徹生, 矢吹, 隆夫, 犬伏, 和之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:用水中の溶存態137Cs濃度を4段階(0.1、1.0、10Bq/L及び水道水(0.027Bq/L))に調製し、交換性カリ含量が異なる2種類の土壌でのヒマワリポット栽培に灌水として与え、用水及び土壌に由来する137Csのヒマワリ地上部への移行について解析した。(1) 溶存態137Cs濃度1Bq/L以下の水を畑地土壌に灌水しヒマワリを栽培した結果、水道水を灌水した場合と比較して、植物体地上部の137Cs濃度に変化は認められず、土壌中の137Cs濃度及び交換性137Cs濃度についても差は認められなかった。(2) 溶存態137Cs濃度10Bq/Lの水を灌水した結果、ヒマワリ地上部の137Cs濃度が上昇した。(3) 用水中に含まれる溶存態137Csは、土壌中の137Csよりヒマワリ地上部に移行しやすいことが明らかとなった。(4) 用水中及び土壌中の137Csのヒマワリ地上部への移行は、土壌中の交換性カリ含量が多い場合に抑制された。(5) 用水中の溶存態137Csは土壌中の交換性137Cs濃度を上昇させ、土壌を介して植物体の137Cs濃度を上昇させることが示唆された。
ISSN:1882-5613