DNAマーカーに基づく種子島産アオリイカ類成体と卵の種判別

種子島周辺のアオリイカ類の資源組成と産卵水深を明らかにするため,シロイカで開発したマイクロサテライト10座とmtDNAのCOI前半部塩基配列をDNAマーカーとした種判別方法を検討した。その結果,シロイカおよびアカイカにはマイクロサテライトマーカーのアリル型やCOI前半の塩基配列に差異が認められ,種判別に有効であることがわかった。種子島沖に設置された人工産卵礁(水深20m,40m,50m)より得られた卵の種判別をCOI前半の塩基配列に基づいて行ったところ,水深20mを除いて,全てアカイカに由来すると判定された。以上の結果から,アカイカの産卵水深はシロイカより深く,水深40~50mと考えられた。ま...

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Veröffentlicht in:Suisan Zoshoku 2015-03, Vol.63 (1), p.39-47
Hauptverfasser: 笘野, 哲史, 上田, 幸男, 笠岡, 祝安, 海野, 徹也
Format: Artikel
Sprache:eng ; jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:種子島周辺のアオリイカ類の資源組成と産卵水深を明らかにするため,シロイカで開発したマイクロサテライト10座とmtDNAのCOI前半部塩基配列をDNAマーカーとした種判別方法を検討した。その結果,シロイカおよびアカイカにはマイクロサテライトマーカーのアリル型やCOI前半の塩基配列に差異が認められ,種判別に有効であることがわかった。種子島沖に設置された人工産卵礁(水深20m,40m,50m)より得られた卵の種判別をCOI前半の塩基配列に基づいて行ったところ,水深20mを除いて,全てアカイカに由来すると判定された。以上の結果から,アカイカの産卵水深はシロイカより深く,水深40~50mと考えられた。また,本研究で用いたCOI領域の部分配列を用いて,インド太平洋海域におけるアオリイカ類の系統関係の推定が可能で,ベトナムとインドネシアにおいてもアカイカとシロイカの混在が示唆された。
ISSN:0371-4217
DOI:10.11233/aquaculturesci.63.39