胆石を認め胆囊切除術を実施した犬50症例における臨床検査所見と手術成績

当院で胆石を認め外科的に胆囊を摘出した犬50症例の回顧的研究を実施した.大部分が中高齢犬であったが,10%は1歳未満であった.胆石の含有成分は炭酸カルシウムが最多で,その他ビリルビンカルシウム,タンパク,脂肪酸カルシウム,リン酸カルシウム及びコレステロールを認めた.胆汁細菌培養の陽性率は31%であった.病理組織検査も含め全症例で何らかの基礎疾患あるいは合併症を認めた.術後死亡率は全体の10%であり,無症状の13例,肝外胆管閉塞(EHBO)のない34例及びEHBO併発の16例ではそれぞれ0%,3%及び25%で,EHBOの併発は術後死亡率を高める要因の一つと考えられた.3割以上の症例で認めたEHB...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2015/02/20, Vol.68(2), pp.117-123
Hauptverfasser: 矢部, 摩耶, 小出, 和欣, 小出, 由紀子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:当院で胆石を認め外科的に胆囊を摘出した犬50症例の回顧的研究を実施した.大部分が中高齢犬であったが,10%は1歳未満であった.胆石の含有成分は炭酸カルシウムが最多で,その他ビリルビンカルシウム,タンパク,脂肪酸カルシウム,リン酸カルシウム及びコレステロールを認めた.胆汁細菌培養の陽性率は31%であった.病理組織検査も含め全症例で何らかの基礎疾患あるいは合併症を認めた.術後死亡率は全体の10%であり,無症状の13例,肝外胆管閉塞(EHBO)のない34例及びEHBO併発の16例ではそれぞれ0%,3%及び25%で,EHBOの併発は術後死亡率を高める要因の一つと考えられた.3割以上の症例で認めたEHBOや胆石に続発すると思われる胆囊炎及び胆囊破裂の発症リスクを考慮すると,無症状の胆石症例においても外科的治療は選択肢として考えるべきであり,少なくとも基礎疾患の精査は必要と思われた.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.68.117