犬の胸腔内異所性肝の1例

症例は重度の発咳がみられた7歳齢の雌犬(ポメラニアン)で,X線検査において右肺後葉付近に長軸径約5cmの単発性の類円形腫瘤がみられ,造影X線CT検査における静脈相では腫瘤は横隔膜に接して右胸腔内に存在し,肝臓実質と同様の造影所見を呈し,さらに腫瘤には肝臓と連絡する静脈が描出された.横隔膜ヘルニアを示唆する画像所見は認められなかった.手術時に腫瘤は後大静脈や横隔膜と癒着していたが,横隔膜ヘルニアは確認されず,腹腔内の肝臓との連続性も肉眼的には確認されなかった.腫瘤は組織学的に肝細胞,小葉間胆管と小葉間動脈と小葉間静脈がみられる門脈域,そして中心静脈で構成されていた.肉眼的及び組織学的所見により胸...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2015/01/20, Vol.68(1), pp.64-67
Hauptverfasser: 一二三, 達郎, 真下, 忠久, 原崎, 裕介, 阿野, 直子, 野村, 耕二, 安田, 準, 川口, 博明, 三好, 宣彰
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は重度の発咳がみられた7歳齢の雌犬(ポメラニアン)で,X線検査において右肺後葉付近に長軸径約5cmの単発性の類円形腫瘤がみられ,造影X線CT検査における静脈相では腫瘤は横隔膜に接して右胸腔内に存在し,肝臓実質と同様の造影所見を呈し,さらに腫瘤には肝臓と連絡する静脈が描出された.横隔膜ヘルニアを示唆する画像所見は認められなかった.手術時に腫瘤は後大静脈や横隔膜と癒着していたが,横隔膜ヘルニアは確認されず,腹腔内の肝臓との連続性も肉眼的には確認されなかった.腫瘤は組織学的に肝細胞,小葉間胆管と小葉間動脈と小葉間静脈がみられる門脈域,そして中心静脈で構成されていた.肉眼的及び組織学的所見により胸腔内異所性肝と診断した.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.68.64