熱応答試験実施時間の短縮がみかけ熱伝導率推定に与える影響:数値的研究

地盤熱応答試験(TRT)で,ケルビンの線源関数の近似解からみかけ熱伝導率λeを推定する場合, 48 時間以上の試験時間が推奨されている.近年線源関数の漸近解を用いて試験初期のデータを用いた解析が提案され,試験時間の大幅な短縮の可能性が示された.本研究では数値解析を用いて,解析に用いるデータ区間がλeの推定に与える影響明らかにし,試験時間短縮の可能性について検討した.三次元の熱伝導方程式に一次元の移流熱移動方程式を組み合わせ,熱媒体からU字管本体への熱移動については吸込み・湧出し項の中で扱った.異なる条件下で熱媒体温度を求め,線源関数の近似解と漸近解を用い,みかけ熱伝導率を推定した.漸近解を用い...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:土壌の物理性 2014, Vol.128, pp.11-20
Hauptverfasser: 斎藤, 広隆, 斎藤, 健志, 向後, 雄二, 濱本, 昌一郎, Moldrup, P, 小松, 登志子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:地盤熱応答試験(TRT)で,ケルビンの線源関数の近似解からみかけ熱伝導率λeを推定する場合, 48 時間以上の試験時間が推奨されている.近年線源関数の漸近解を用いて試験初期のデータを用いた解析が提案され,試験時間の大幅な短縮の可能性が示された.本研究では数値解析を用いて,解析に用いるデータ区間がλeの推定に与える影響明らかにし,試験時間短縮の可能性について検討した.三次元の熱伝導方程式に一次元の移流熱移動方程式を組み合わせ,熱媒体からU字管本体への熱移動については吸込み・湧出し項の中で扱った.異なる条件下で熱媒体温度を求め,線源関数の近似解と漸近解を用い,みかけ熱伝導率を推定した.漸近解を用いることで,グラウトの熱特性が地盤と大きく異なる場合でも,誤差 5 %以内で試験時間を20時間以内に短縮できた.また,現場TRTデータの解析により,上記結果の正当性が評価できた.
ISSN:0387-6012
2435-2497
DOI:10.34467/jssoilphysics.128.0_11