寒冷地における新規導入カラーピーマン(Capsicum annuum L. )の特性

寒冷地(長野県)にカラーピーマンが本格的に導入されて2008年で10年目になる。長野県の冷涼な気候条件を活かしたカラーピーマンの夏秋どり作型を開発するため,1999~2006年にかけて13種苗会社56品種・系統のカラーピーマンを導入し,その特性を調べた。供試した56品種・系統のなかから,ほかの品種に比べて高糖度であるカラーピーマン(品種名‘ガブリエル’)が認められ,収量,品質および作業性から判断して,良食味の優位性と利便性をアピールできれば業務加工(サラダ)用の新品目として現地への新規導入が可能であると考えられた。また,カラーピーマン栽培の最近の動向として,未熟用ピーマンを完熟させて出荷させる...

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Veröffentlicht in:長野県野菜花き試験場報告 2009-03 (14), p.9-15
Hauptverfasser: 元木, 悟, 矢崎, 明美, 小林, 優, 古越, 悟, 高橋, 直志, 小西, 千秋, 上杉, 壽和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:寒冷地(長野県)にカラーピーマンが本格的に導入されて2008年で10年目になる。長野県の冷涼な気候条件を活かしたカラーピーマンの夏秋どり作型を開発するため,1999~2006年にかけて13種苗会社56品種・系統のカラーピーマンを導入し,その特性を調べた。供試した56品種・系統のなかから,ほかの品種に比べて高糖度であるカラーピーマン(品種名‘ガブリエル’)が認められ,収量,品質および作業性から判断して,良食味の優位性と利便性をアピールできれば業務加工(サラダ)用の新品目として現地への新規導入が可能であると考えられた。また,カラーピーマン栽培の最近の動向として,未熟用ピーマンを完熟させて出荷させる形態もあることから,ベル果完熟型のカラーピーマンと未熟用ピーマンの完熟型の2種類について,収穫期の違いによる収量,品質および生育を調べた。完熟果で収穫した場合,未熟果で収穫したものと比べて収量は半減したが,平均果重は増加し,アスコルビン酸含量およびBrix値が向上した。カラーピーマンの収穫時期は,着色が90%程度の果実を収穫すれば,ほとんどの品種では流通過程の2~3日中に果実全体に色が回り,完熟した果実を店頭に並べることができると考えられた。植物体の凍結が予想される程度の低温となる晩秋に,果実を一斉収穫する場合,収穫した果実を完熟させるには,催色期以降の果実を収穫する必要があると考えられた。
ISSN:0286-1321