標識放流サルボウの追跡調査
貧酸素水塊による斃死リスクが高い沖側漁場とリスクが低い岸側漁場に試験区を設け,放流後のサルボウの移動分散・成育状況および貧酸素環境経過後の回収率を調査した。標識放流個体の移動は放流約1ヶ月後においても放流場所の違いに関わらず,50m以内と想定された。また,貧酸素環境経過後の標識個体の回収率は,岸側漁場が明らかに高く,更に回収されたサルボウの成長も良かった。40%以下の貧酸素環境となっていた沖側の試験区は,岸側の試験区に比べ貧酸素環境になり易い漁場であることも裏付けられた。沖側試験区が岸側の試験区に比べ明らかに貧酸素環境の出現頻度が高いことから,貧酸素条件とその累積時間,すなわち貧酸素強度の差が...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 佐賀県有明水産振興センター研究報告 = Bulletin of Saga Prefectural Ariake Fisheries Research and Development Center 2014-08 (27), p.19-25 |
---|---|
Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 貧酸素水塊による斃死リスクが高い沖側漁場とリスクが低い岸側漁場に試験区を設け,放流後のサルボウの移動分散・成育状況および貧酸素環境経過後の回収率を調査した。標識放流個体の移動は放流約1ヶ月後においても放流場所の違いに関わらず,50m以内と想定された。また,貧酸素環境経過後の標識個体の回収率は,岸側漁場が明らかに高く,更に回収されたサルボウの成長も良かった。40%以下の貧酸素環境となっていた沖側の試験区は,岸側の試験区に比べ貧酸素環境になり易い漁場であることも裏付けられた。沖側試験区が岸側の試験区に比べ明らかに貧酸素環境の出現頻度が高いことから,貧酸素条件とその累積時間,すなわち貧酸素強度の差が両試験区の回収率の差に反映したものと推測された。また回収されたサルボウの成長に有意な差が生じた要因についても,貧酸素強度の差と推測された。今回の試験結果から,沖側漁場のサルボウを岸側漁場に移植することにより,貧酸素水塊の影響を軽減することが可能と思われた。 |
---|---|
ISSN: | 0919-1143 |