土のキャピラリーバリアを利用したかんがい水の効率的な利用と土壌塩分化の抑制
土壌塩分化を効果的に防ぐことができれば、かんがい農業の持続性が高まる。土壌中の根群域下部の比較的浅い深さに礫層を敷設すると、土壌と礫の保水性の違いにより、地下水からの毛管上昇(上向きの不飽和流れ)を遮断できる。地下水に塩分が含まれる場合、この毛管上昇と蒸発による塩分集積を予防できることになる。礫層とその上部に相対的に粗粒の土を配した土層構造をキャピラリーバリアと呼ぶ。両者の土の保水性の違いは、地表面から下向きに流入する浸潤水(下向きの不飽和流れ)を遮断する働きを持ち、その結果、礫層の直上部に浸潤水が貯留されることになる。したがって、この礫層が比較的浅い位置に敷設されると、植物は効率よくこの貯留...
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Veröffentlicht in: | 新潟大学農学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Agriculture, Niigata University Niigata University, 2014-09, Vol.67 (1), p.65-76 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 土壌塩分化を効果的に防ぐことができれば、かんがい農業の持続性が高まる。土壌中の根群域下部の比較的浅い深さに礫層を敷設すると、土壌と礫の保水性の違いにより、地下水からの毛管上昇(上向きの不飽和流れ)を遮断できる。地下水に塩分が含まれる場合、この毛管上昇と蒸発による塩分集積を予防できることになる。礫層とその上部に相対的に粗粒の土を配した土層構造をキャピラリーバリアと呼ぶ。両者の土の保水性の違いは、地表面から下向きに流入する浸潤水(下向きの不飽和流れ)を遮断する働きを持ち、その結果、礫層の直上部に浸潤水が貯留されることになる。したがって、この礫層が比較的浅い位置に敷設されると、植物は効率よくこの貯留された土中水を生育に利用できるようになる。節水かんがいが可能となる。本研究では、このような土のCBによる地下水からの毛管上昇の遮断ならびに地表面からの浸潤水の貯留効果を、圃場での植栽実験を通して明らかにした。 |
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ISSN: | 0385-8634 |