クレソン (Nasturtium officinale) 摂取が高血圧自然発症ラットの血圧および脂質代謝に及ぼす影響

[要旨]: クレソン摂取が血圧と脂質代謝に及ぼす影響について検討を行った. 高血圧自然発症ラット(SHR)を2群に分け, 実験群には2.5%クレソン含有飼料を与えた. 11週間後, 実験群の収縮期血圧が低下した. そこで, マグヌス法を用いて血圧上昇抑制機序の追跡を行ったところ, クレソン水抽出液はアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害作用と弱いアンギオテンシンII1型(AT1)受容体拮抗作用を有することがわかった. エタノールおよびメタノール抽出液は, 作用は弱いもののアドレナリンα受容体活性化および電位依存性カルシウムチャネル開口に対する拮抗作用を有することが示唆された. また, 血清総コ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Shokuryō Gakkai shi, 2014-08, Vol.67 (4), p.185-191
Hauptverfasser: 林あつみ, 高橋ルミ子, 木元幸一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:[要旨]: クレソン摂取が血圧と脂質代謝に及ぼす影響について検討を行った. 高血圧自然発症ラット(SHR)を2群に分け, 実験群には2.5%クレソン含有飼料を与えた. 11週間後, 実験群の収縮期血圧が低下した. そこで, マグヌス法を用いて血圧上昇抑制機序の追跡を行ったところ, クレソン水抽出液はアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害作用と弱いアンギオテンシンII1型(AT1)受容体拮抗作用を有することがわかった. エタノールおよびメタノール抽出液は, 作用は弱いもののアドレナリンα受容体活性化および電位依存性カルシウムチャネル開口に対する拮抗作用を有することが示唆された. また, 血清総コレステロール, 低密度リポタンパク質(LDL)-コレステロール, 中性脂肪が有意に低下し, 肝臓総コレステロールの低下傾向が観察された. これらのことよりクレソンの日常的な摂取は血圧上昇抑制および脂質代謝改善に有効であることが示唆された.
ISSN:0287-3516