モモせん孔細菌病菌(主にXanthomonas arboricola pv. pruni)の薬剤感受性に関する研究

モモせん孔細菌病は重要病害の一つであり,国内ではXanthomonas arboricola pv. pruni, Pseudomonas syringae pv. syringae およびBrenneria nigrifluensの3種が病原細菌として報告されている。一般的に本病の主病原はX. a. pv. pruniであるとされているが,それを詳細に調査した報告は少ない。また,本病の防除は抗生物質剤を中心とした薬剤の散布が主である。抗生物質剤は様々な病害で薬剤耐性菌の発生が報告されており問題となっている。本病においても耐性菌の出現による防除効果の低下が懸念されている。そこで,2008年から...

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Veröffentlicht in:Tokyo Nōgyō Daigaku nōgaku shūhō 2014-06, Vol.59 (1), p.74-80
Hauptverfasser: 山口, 修平, 伊山, 公二, 田方, 康平, 夏秋, 啓子, 根岸, 寛光, 篠原, 弘亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:モモせん孔細菌病は重要病害の一つであり,国内ではXanthomonas arboricola pv. pruni, Pseudomonas syringae pv. syringae およびBrenneria nigrifluensの3種が病原細菌として報告されている。一般的に本病の主病原はX. a. pv. pruniであるとされているが,それを詳細に調査した報告は少ない。また,本病の防除は抗生物質剤を中心とした薬剤の散布が主である。抗生物質剤は様々な病害で薬剤耐性菌の発生が報告されており問題となっている。本病においても耐性菌の出現による防除効果の低下が懸念されている。そこで,2008年から2011年の4年間に合計7県151ほ場からモモせん孔細菌病罹病試料を採取し,病原細菌を分離,国内で発生している本病の主病原を再確認したところ,分離した菌株のほとんどがX. a. pv. pruniであったことから本病の主病原はX. a. pv. pruniである可能性が示唆された。さらに,菌株のオキシテトラサイクリン,オキソリニック酸およびストレプトマイシンに対する最小生育阻止濃度(MIC)を調査したところ,オキシテトラサイクリンおよびオキソリニック酸に対するMICは25ppm以下であった。一方,ストレプトマイシンに対してはMICが2000ppm以上を示す菌株が200菌株と全体の43%を占めており,ストレプトマイシンに対して耐性を有するX. a. pv. pruniが比較的高い割合で存在することが示唆された。
ISSN:0375-9202