黒毛和種去勢牛肉の脂肪含量の異なる部位での熟成効果の検討
黒毛和種去勢牛肉のリブロース及びウチモモを用い、真空包装状態で通常熟成6日目に加え、2~3℃の冷蔵下0日、14日及び28日間の熟成を行い、理化学分析及び官能評価により各部位における長期熟成効果について検討した。理化学分析では、ウチモモにおいて、14日で加熱損失、28日で剪断力価の有意な低下等の長期熟成効果が見られた。また、呈味成分である遊離アミノ酸の増加項目、増加量及び総量は、ウチモモでリブロースより上回っていたほか、イノシン酸についても、ウチモモでリブロースに比べ含量が高い結果を示した。このように、理化学分析では、リブロースに比ベウチモモで顕著な変化が見られた。一方、官能評価の結果も理化学分...
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Veröffentlicht in: | 愛媛県農林水産研究所畜産研究センター研究報告 2014-06 (2), p.35-42 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 黒毛和種去勢牛肉のリブロース及びウチモモを用い、真空包装状態で通常熟成6日目に加え、2~3℃の冷蔵下0日、14日及び28日間の熟成を行い、理化学分析及び官能評価により各部位における長期熟成効果について検討した。理化学分析では、ウチモモにおいて、14日で加熱損失、28日で剪断力価の有意な低下等の長期熟成効果が見られた。また、呈味成分である遊離アミノ酸の増加項目、増加量及び総量は、ウチモモでリブロースより上回っていたほか、イノシン酸についても、ウチモモでリブロースに比べ含量が高い結果を示した。このように、理化学分析では、リブロースに比ベウチモモで顕著な変化が見られた。一方、官能評価の結果も理化学分析とほぼ同様の傾向を示したが、長期熟成によりリブロースの「柔らかさ」が有意に高くなる結果を示したのに対し、ウチモモでは有意な差は認められなかった。一方、ウチモモでは、リブロースに比べ官能評価の「旨味」や「甘い香り」の項目において、長期熟成により有意に評価が高くなり、風味が向上する傾向を示した。以上のことから、黒毛和種去勢牛肉を用いた長期熟成は付加価値化の手段として、リブロースのように脂肪含量の高い部位では風味の向上にはつながらず有効とはいえないが、ウチモモのように脂肪含量の低い部位においては有効である可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 2186-0637 |