過剰根を伴う上顎第4前臼歯の根尖周囲病巣による内歯瘻の犬の1例
ボーダーコリー(9歳5カ月齢,雄)に左眼窩下腫脹と左上顎第4前臼歯の重度歯石沈着が認められた.口腔内検査では左上顎第4前臼歯の歯肉の腫脹と遠心根の根尖に位置する頬側歯肉からの排膿があった.X線検査では左上顎の第3前臼歯遠心根と第4前臼歯の近心・遠心側の歯根根尖周囲に骨吸収を認め,第4前臼歯の遠心根が変形しているようにみられた.以上より本症例を根尖周囲病巣による内歯瘻と診断し,左上顎第3・4前臼歯の抜歯を行った.第4前臼歯は歯根が4本ある過剰根で歯冠には裂溝がみられた.病理組織学的検査では歯肉に炎症性細胞が浸潤し,第4前臼歯の歯髄は壊死して細菌塊が認められた.過剰根は歯冠裂溝があり,これが歯周ポ...
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Veröffentlicht in: | Nippon Juishikai zasshi 2014/05/20, Vol.67(5), pp.340-344 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ボーダーコリー(9歳5カ月齢,雄)に左眼窩下腫脹と左上顎第4前臼歯の重度歯石沈着が認められた.口腔内検査では左上顎第4前臼歯の歯肉の腫脹と遠心根の根尖に位置する頬側歯肉からの排膿があった.X線検査では左上顎の第3前臼歯遠心根と第4前臼歯の近心・遠心側の歯根根尖周囲に骨吸収を認め,第4前臼歯の遠心根が変形しているようにみられた.以上より本症例を根尖周囲病巣による内歯瘻と診断し,左上顎第3・4前臼歯の抜歯を行った.第4前臼歯は歯根が4本ある過剰根で歯冠には裂溝がみられた.病理組織学的検査では歯肉に炎症性細胞が浸潤し,第4前臼歯の歯髄は壊死して細菌塊が認められた.過剰根は歯冠裂溝があり,これが歯周ポケットからの感染を根尖まで波及させる経路となるため,過剰根や歯冠裂溝などの形態異常は根尖周囲病巣発症の要因となり得ると考えられた. |
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ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
DOI: | 10.12935/jvma.67.340 |