網走川支流ドードロマップ川における魚道設置前後のサクラマス産卵床の分布

網走川支流のドードロマップ川において魚道設置の前後計7年間,サクラマスの産卵床分布を調べた。魚道設置後に産卵床の分布範囲は上流域にまで拡大したが,その総数は魚道設置から3年間は設置前と比べて増加することは無かった。魚道設置から4~5年が経過すると,産卵床数は親世代と比べて2.6倍に増加した。既報によると,産卵床数の増加した年級では稚魚期の生息密度が高かったことや,上流に形成された産卵床では卵の生残率が高い傾向があったことから,魚道設置に伴う産卵場や生息場の拡大は,卵や稚魚の生残率の上昇と降海幼魚数や回帰親魚数の増加をもたらしたかもしれないと推測された。...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:北海道水産試験場研究報告 = Scientific reports of Hokkaido Fisheries Research Institutes 2014-03 (85), p.41-46
Hauptverfasser: 下田, 和孝, 川村, 洋司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:網走川支流のドードロマップ川において魚道設置の前後計7年間,サクラマスの産卵床分布を調べた。魚道設置後に産卵床の分布範囲は上流域にまで拡大したが,その総数は魚道設置から3年間は設置前と比べて増加することは無かった。魚道設置から4~5年が経過すると,産卵床数は親世代と比べて2.6倍に増加した。既報によると,産卵床数の増加した年級では稚魚期の生息密度が高かったことや,上流に形成された産卵床では卵の生残率が高い傾向があったことから,魚道設置に伴う産卵場や生息場の拡大は,卵や稚魚の生残率の上昇と降海幼魚数や回帰親魚数の増加をもたらしたかもしれないと推測された。
ISSN:2185-3290