ユズの系統選抜に関する研究(2) : 弱毒CTVを接種したユズ「永野」の特性

カンキツトリステザウイルス(以下,CTV)を自然保毒し,果実外観が良好なユズ系統「高知果試選抜1~5号」(以下,「1~5号」)が持つ弱毒CTVのYM1~5,および旧農林水産省果樹試験場が選抜した弱毒CTVのM16Aをウイルスフリーにした「永野」に接種し,樹体および果実特性を調査した。1. YM2およびYM3を接種した場合,調査期間を通じてステムピッティング(以下,SP)発生度は低く,凸型こはん様症の発生も少ない傾向であった。樹勢,収量への影響は小さく,優良な弱毒CTV系統と考えられた。2. YM1を接種した場合,樹勢はやや弱く幹周肥大が緩慢であった。SP発生度は中程度であったが,凸型こはん様症...

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Veröffentlicht in:高知県農業技術センター研究報告 2014-03 (23), p.65-70
Hauptverfasser: 谷本, 佑, 矢野, 臣祐, 又川, 浩司, 田中, 満稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:カンキツトリステザウイルス(以下,CTV)を自然保毒し,果実外観が良好なユズ系統「高知果試選抜1~5号」(以下,「1~5号」)が持つ弱毒CTVのYM1~5,および旧農林水産省果樹試験場が選抜した弱毒CTVのM16Aをウイルスフリーにした「永野」に接種し,樹体および果実特性を調査した。1. YM2およびYM3を接種した場合,調査期間を通じてステムピッティング(以下,SP)発生度は低く,凸型こはん様症の発生も少ない傾向であった。樹勢,収量への影響は小さく,優良な弱毒CTV系統と考えられた。2. YM1を接種した場合,樹勢はやや弱く幹周肥大が緩慢であった。SP発生度は中程度であったが,凸型こはん様症の発生は少ない傾向であった。よって,YM2およびYM3に比べ樹体への影響がやや強いが,干渉効果が比較的高い弱毒CTVであると考えられた。3. YM4を接種した場合,定植7年目以降に強いSPの発生がみえ始めた。凸型こはん様症の発生も他系統と比べ多い傾向であった。また,強いSPの発生がみえ始めてからは着花量,着果量および収量が少なくなり,果実も小さくなったため,強毒CTVへの干渉効果は低いと考えられた。4. YM5を接種した場合,樹勢は強く収量も多かった。定植9年目以降に強いSPの発生がみられ,凸型こはん様症の発生は他系統と比べやや多い傾向であった。よって,YM5は極めて弱毒で,強毒CTVへの干渉効果は低いと考えられた。5. M16Aを接種した場合,SP発生度は中程度であり,樹勢はやや弱かった。凸型こはん様症の発生は少ない傾向であった。
ISSN:0917-7701