甘蔗糖度が高く品質の良い早期収穫向けサトウキビ新品種「KN00-114」の育成
「KN00-114」は九州沖縄農業研究センターにおいて育成された,茎数が多く多収,甘蔗糖度が高く,12月収穫の可能な早期高糖性のサトウキビ新品種である。1998年に財団法人甘味資源振興会が南アフリカ共和国糖業試験所から導入した種子の分譲を受けて,九州農業試験場(現,九州沖縄農業研究センター)が1999年に育成を開始し,実生選抜,4回の栄養系選抜,系統適応性検定試験,特性検定試験,奨励品種決定調査を行った。2011年に「KN00-114」として品種登録申請を行い,2012年に鹿児島県の奨励品種として採用され,2012年に「さとうきび農林30号」の農林認定を受けた。発芽は「NiF8」と同程度に良く...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 九州沖縄農業研究センター報告 2014-03 (61), p.1-16 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「KN00-114」は九州沖縄農業研究センターにおいて育成された,茎数が多く多収,甘蔗糖度が高く,12月収穫の可能な早期高糖性のサトウキビ新品種である。1998年に財団法人甘味資源振興会が南アフリカ共和国糖業試験所から導入した種子の分譲を受けて,九州農業試験場(現,九州沖縄農業研究センター)が1999年に育成を開始し,実生選抜,4回の栄養系選抜,系統適応性検定試験,特性検定試験,奨励品種決定調査を行った。2011年に「KN00-114」として品種登録申請を行い,2012年に鹿児島県の奨励品種として採用され,2012年に「さとうきび農林30号」の農林認定を受けた。発芽は「NiF8」と同程度に良く,萌芽はやや劣る“やや良”である。分げつ性は「NiF8」よりも優れる“やや強”である。原料茎数は春植えで「NiF8」よりも多く,株出しでは同程度からやや多い傾向である。原料茎長が「NiF8」より長いが,原料茎径は「NiF8」よりもやや細く,春植えでの一茎重は「NiF8」よりも軽く,株出しではやや重い。原料茎重,可製糖量は,春植え,株出しとも「NiF8」を上回っている。早期高糖性を具え,12月のレフブリックス値は春植え,株出しともに「NiF8」より高い。特に鹿児島県大島地域では,春植え,株出しともに原料茎重,可製糖量が「NiF8」よりも多く,12月の早期収穫においても同様の傾向である。12月収穫を必要とする大島地域に,「Ni22」に続く早期収穫の新たな選択肢を与える品種として普及する見込みである。 |
---|---|
ISSN: | 1346-9177 |
DOI: | 10.24514/00001892 |