栽培特性が優れ良質の暖地・温暖地向き酒米新品種「吟のさと」の育成
「吟のさと」は,「山田錦」を母とし,「西海222号」を父とした交配組合せから育成され,2007年に品種登録出願され,2009年に水稲農林433号として農林認定品種に認定された。「吟のさと」は,育成地における出穂期,成熟期が「山田錦」並か1日程度遅く,暖地では“晩生の早”に属する。「山田錦」と比較して,稈長は25cm程度短く,穂長は1cm程度長く,穂数は少ない。草型は“偏穂重型”である。耐倒伏性は「山田錦」より明らかに強く,「レイホウ」より強い“強”である。脱粒性は「レイホウ」並の“中”である。葉いもち圃場抵抗性,穂いもち圃場抵抗性ともに「山田錦」並の“やや弱”である。白葉枯病抵抗性は“やや弱”...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 九州沖縄農業研究センター報告 2013-09 (60), p.13-28 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「吟のさと」は,「山田錦」を母とし,「西海222号」を父とした交配組合せから育成され,2007年に品種登録出願され,2009年に水稲農林433号として農林認定品種に認定された。「吟のさと」は,育成地における出穂期,成熟期が「山田錦」並か1日程度遅く,暖地では“晩生の早”に属する。「山田錦」と比較して,稈長は25cm程度短く,穂長は1cm程度長く,穂数は少ない。草型は“偏穂重型”である。耐倒伏性は「山田錦」より明らかに強く,「レイホウ」より強い“強”である。脱粒性は「レイホウ」並の“中”である。葉いもち圃場抵抗性,穂いもち圃場抵抗性ともに「山田錦」並の“やや弱”である。白葉枯病抵抗性は“やや弱”,縞葉枯病には“罹病性”である。収量性は「山田錦」より7%程度多収である。心白発現率は「山田錦」より高く,外観品質は良好である。白米の吸水性は,「山田錦」並かやや低く,消化性は「山田錦」並である。試作酒の日本酒度は「山田錦」よりやや高く,純アルコール数量は「山田錦」並である。九州北部を中心とした暖地および温暖地の平坦地および準平坦地に適する。 |
---|---|
ISSN: | 1346-9177 |
DOI: | 10.24514/00002021 |