穀物遠赤外線乾燥機の実用機開発及び生産現場での性能評価

本報では,市販の循環式乾燥機に遠赤外線放射体を組み込んだ穀物遠赤外線乾燥機の実用機を開発し,籾・小麦の乾燥試験を行った。また,乾燥した穀物の品質試験と運転中の騒音測定も行った。開発した遠赤外線乾燥機は,同じ張込量の熱風乾燥機と比して,除水率[灯油]は籾で 10 %,小麦で8 %,除水率[電気]は籾で 40 %,小麦で 24 %の低減効果があった。胴割れ率の増加は 2 %以下で問題なく,さらに 1.0 % w.b./h 以上の乾燥速度においても胴割れ率の増加が少ない傾向であった。発芽試験の結果,籾,小麦ともに遠赤外線放射による発芽障害は認められなかった。食味官能試験の結果,遠赤外線で乾燥した米は...

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Veröffentlicht in:Nōgyō Kikai Gakkaishi 2013/09/01, Vol.75(5), pp.316-325
Hauptverfasser: 日髙, 靖之, 久保田, 興太郎, 市川, 友彦, 柏嵜, 勝, 小篠, 玲二, 土門, 正幸, 造賀, 和成, 伊藤, 正人, 大沼, 信彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本報では,市販の循環式乾燥機に遠赤外線放射体を組み込んだ穀物遠赤外線乾燥機の実用機を開発し,籾・小麦の乾燥試験を行った。また,乾燥した穀物の品質試験と運転中の騒音測定も行った。開発した遠赤外線乾燥機は,同じ張込量の熱風乾燥機と比して,除水率[灯油]は籾で 10 %,小麦で8 %,除水率[電気]は籾で 40 %,小麦で 24 %の低減効果があった。胴割れ率の増加は 2 %以下で問題なく,さらに 1.0 % w.b./h 以上の乾燥速度においても胴割れ率の増加が少ない傾向であった。発芽試験の結果,籾,小麦ともに遠赤外線放射による発芽障害は認められなかった。食味官能試験の結果,遠赤外線で乾燥した米は総合評価が上がる傾向を示した。また,開発機は送風量の設定を低くできることと,放射体内で燃焼が行われるためバーナの燃焼音が低減されることにより,乾燥中の騒音が熱風乾燥機に比して 3 dB(A)低減した。また,実用化した穀物遠赤外線乾燥機は市場においても省エネルギーであることを確認した。
ISSN:0285-2543
1884-6025
DOI:10.11357/jsam.75.316